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「体温維持」から「握る力」「肌状態改善」まで 機能性研究・素材提案が活発化(特集/ショウガ)

世界各国で栽培され、香辛野菜としてだけでなく民間薬としても古くから利用されてきたショウガ。国内では冷え対策の定番素材として、サプリメントや健康食品、スープやドリンク、冷凍食品など幅広い商品に応用されている。機能性表示食品では、6-ショウガオールや6-ジンゲロール、黒ショウガ由来(5,7-ジメトキシフラボン、5-ヒドロキシ-7-メトキシフラボン)、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを関与成分とする機能性表示食品が続々登場。今年(9月25日現在)は既に27アイテムの届出受理が行われ、2019年までの累計36アイテムにせまる勢い。機能性研究では「血糖コントロール」「目の潤い」「肌状態の改善」等の知見も報告され、ショウガのもつ多様な機能性が脚光を浴びてる。

「体温維持」「歩行能力」「脂肪消費」 機能性表示は63アイテムに

ショウガは熱帯アジア原産で、インドや東南アジアなどでは古くから胃腸機能の回復や下痢治療などに用いられてきた。

特に中国の漢方医薬では生のショウガを「生姜(ショウキョウ)、乾燥させたものを「乾姜」と呼び、からだを温めて発汗させる作用や、咳を鎮める作用、内臓の冷えを温める作用などの薬効から、漢方薬の多くでショウガが利用され、重宝されてきた歴史がる。

国内では、スープにショウガを配合した商品『冷え知らずさんシリーズ』(永谷園)のヒット以降、「ショウガ=冷え対策」のイメージが消費者に浸透。これを契機に各社による商品開発が活発化した。

近年では「歩行能力の維持」「脂肪消費」を訴求する機能性表示食品の登場も市場拡大を後押ししている。

6 -ジンゲロール、6 -ショウガオールを関与成分とした届出受理は9月25日現在、9アイテムに。冷え対策として甘酒やシロップ、のど飴といった商品化が進んでいる。

ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを関与成分とする届出受理は9月25日現在、53アイテムとなった。このうち26アイテムは今年( 9 月25日現在)受理されたもので、「歩行能力の維持」「脂肪消費」を訴求した商品開発が加速度的に増加している。

「抗菌」「メタボ」対策にショウガ テレビでも話題に

ショウガの機能性は、各種メディアでも多く取り上げられている。テレビ番組では6月、「健康カプセル ゲンキの時間(CBC&TBS系列)」で、メタボ体質の予防・抗菌作用をテーマに取り上げられた。

番組内では、ショウガ研究の第一人者・医学博士の平柳要氏が出演し、「ハチミツしょうが緑茶」の健康効果を説明。「ハチミツ、ショウガ、緑茶(煎茶)のいずれにも抗菌(抗細菌)作用や抗ウイルス作用がある」とし、「インフルエンザウイルスに対して効果が期待できる」とした。さらに、メタボ体質(内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖・高血圧・脂質異常のうち2つ以上あてはまる状態)の予防や改善に役立つとした。

「肩こり」「むくみ」「疲労・ストレス」“ショウガ加工品”で新たな研究論文も

スーパーやコンビニ、ドラッグストアで目にするショウガ関連商品。生鮮だけでなく冷凍食品やドリンク、調味料といった様々な加工食品が流通している。
国産ショウガの大手サプライヤーからは、「温活ブームを追い風にショウガ原料の引き合いが高まっている」とし、辛口ジンジャーエールに国産ショウガが採用されるなど、「大手食品メーカーの引き合いが好調に推移している」と話す。

こうしたなか、“冷え対策”の機能をさらに裏付ける研究論文「生姜加工物摂取による体温上昇とその生化学的効果」が9月4日、日本未病学会雑誌(vol.26 No.2)で発表された。

論文ではショウガ加工物飲料を摂取した被験者の体温上昇や血流状態改善が有為に認められたほか、肩こりやむくみ、疲労感、ストレスが改善されたと報告している。この研究論文は高知県立大学と㈱あさの、㈱協和の共著。オンラインジャーナルでの発表となった。冷え対策から肩こり・むくみ対策まで、幅広い訴求点をもつショウガは着実にステップアップを重ねている。

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