特集

天然の着色料 豊富な機能性データに脚光(特集/カロテノイド)

天然の着色料として食品業界で、重宝されるカロテノイド。高い抗酸化力を持ちアスタキサンチン、β-カロテン、リコピン、ルテイン、クロセチンなど健康食品に利用される素材も少ない。アイケア、美肌、疲労回復、認知改善など様々なデータが蓄積されており、血中のカロテノイド濃度が心血管疾患やがん、認知症などの発症リスクと密接に関係することも示唆されている。カロテノイド類を活用した機能性表示食品は約400品に達しており、紫外線対策、疲労感軽減などポストコロナを見据えた届出を目指すメーカーも増えている。

カロテノイド不足で 死亡リスク上昇

カロテノイドとは、動物や植物に存在する黄、橙赤、赤色などの天然色素の総称を指す。自然界には、約700種類以上のカロテノイドが存在しているとされ、アルコールに溶けるカロテン類と、アルコールに溶けないキサントフィル類に分類される。

食品業界では、“天然の着色料”として製菓・製パン、麺、飲料などに広く用いられてきた。近年は、国内外でナチュラル志向が高まっていることもあり、カロテノイド系色素への需要はさらに高まっている。

コロナ禍で多くの食品メーカーの新商品開発が停滞する中でも、大手各社の既存商品に広く採用されていることから、原料流通量に大きな減少は見られていない。

メーカー各社は、独自の精製処理を施し、食品の風味や外観に影響を与えない、より鮮やかな色彩を実現する、など特徴的な新原料の提案を進めている。

健食分野では、活性酸素を除去する成分として80年代から90年代半ばにβ–カロテンが脚光を浴び、それ以降、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、クロセチン、フコキサンチン、β–クリプトキサンチンなどを配合したサプリメントが数多く上市されてきた。

カロテノイド類には、高い抗酸化力を持つという共通した特徴があり、アイケア、美肌、疲労回復、認知機能改善、抗メタボ、抗ロコモティブシンドロームなど様々なエビデンスが蓄積されている。

臨床レベルの研究成果も多く、機能性表示食品制度においても多くのカロテノイド類が活用されている。米国立老化研究所(NIA)の今年5月の報告では、カロテノイドの摂取が認知症の発症リスクを抑えることが示唆された。

NIAは、45~90歳の米国人男女7,283人を対象に約17年間、血中のカロテノイド類、ビタミンA、C、E 量を分析し、ルテイン、ゼアキサンチン、β–クリプトキサンチンの血中濃度が高い群は、低い群と比べて認知症の発症リスクが減少することが明らかとなった。

血中カロテノイド濃度と、がんや心血管疾患の死亡リスクの相関性を指摘するデータもある。藤田医科大学の…

続きは本紙で。定期購読のお申し込みはこちらから(オンラインでの閲覧も可能です!)

■「受託製造企業ガイドブック2022年版」 好評販売中■


2017年版を全面改定し、「機能性表示食品への対応」を追加。各社の概要、特色、業況、連絡先がこの一冊に。健康食品・化粧品の製造、各種試験・分析依頼、原料調達などに、ぜひ本書をご活用ください。⇒詳しくはこちら

 

行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP