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馬油製品、 フェムケア分野に商機(特集/馬の油)

新型コロナ禍でマスク常用に伴う肌荒れや大人ニキビ対策、アルコール消毒による手荒れ対策として、馬油製品のニーズが伸長している。馬油の脂肪酸組成はヒトの皮下脂質に近く、肌への浸透性は抜群。古来より火傷やアカギレなど皮膚治療の民間薬として用いられてきた実績を持つことから、コロナ禍で肌荒れに悩む女性の心を掴んでいる。さらに、産後の妊娠線やデリケートゾーンケアなどへの有用性は、最近話題の“フェムケア”対応としてもビジネスチャンスに繋がる可能性を秘める。10月には外国人観光客への入国が大幅に緩和され、円安が進む中、インバウンド需要の回復にも期待される。ここに来て再び、馬油市場にフォローの風が吹いている。

若年女性や妊婦など、新規ユーザー獲得

馬食文化のある福岡県や熊本県で伝統的なご当地コスメとして、土産物の代表格の1つだった馬油製品。現在は自然派コスメとして定着している。

なかでもコロナ禍のマスクやアルコール消毒剤の常用に伴う肌荒れや手荒れ対策として、韓国のCICA(ツボクサエキス)コスメ同様、皮膚への浸透性など馬油の優れた機能性が再び脚光を浴びている。

馬油はもともと、奈良時代に日本に伝来して以降、火傷や切り傷、アカギレなど皮膚治療の民間薬として用いられてきた歴史を持つ。

馬油は不飽和脂肪酸の含有量が59〜65%と高く、n – 3系脂肪酸とn – 6系脂肪酸をバランス良く含み、ヒトの皮下脂質に近いことから、皮膚への浸透性が高く、「赤ちゃんからお年寄りまで、全身に使える万能オイル」とも称される。

インバウンドによる馬油ブーム終焉以降、メーカーや販売会社では、若年女性や妊婦など新規ユーザー獲得に向けた取り組みに注力。

馬油と相性の良いシアバターやホホバ油などの植物油を組み合わせた製品、馬油と話題のCICAを組み合わせた製品、国産馬プラセンタと組み合わせた製品など、市場性の高い製品開発をはじめ、パッケージデザインの変更や価格帯の見直しを推進。

さらに新規ユーザーにもわかりやすいように、ヘア・スカルプケア、踵や膝の保湿など、馬油製品の使い方を丁寧に解説するWEBページやYouTube動画の製作など、馬油の再ブランディングを進めてきた。

その結果、ここ数年で馬油製品は新たなユーザーを獲得し、ご当地コスメから自然派コスメとして認知されるフェーズを迎えていた。

馬油市場にフォローの風

ここに来て、馬油市場にとってフォローの風が吹き始めた。産後妊婦の妊娠線のケアやデリケートゾーンケアにも使用できる優れた安全性と機能性は、最近話題のフェムケア分野との親和性も非常に高く…

続きは、本紙11月16日発行号(1752号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから

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