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コラーゲンペプチドは、関節などに届いていた

 これまで、肌や関節の構成成分であるコラーゲンを取れば、美肌や関節痛に効果があるとした業者や消費者などの主張に、専門家は冷ややかな目を向けてきた。食べて消化されてアミノ酸になってもそれが、再び、再生され皮膚になることにはならないと。ところが巷では女性の間で、もつ鍋やすっぽん鍋が美容素材としてもてはやされ一大ブームとなっている。
 ところがここにきて、消費者の判断に軍配が上がる報告が相次いで出てきた。専門家の経口のコラーゲンが吸収されアミノ酸になった後に、皮膚や軟骨成分として再構成される検証がないとの批判に対して、経口のアミノ酸が皮膚を構成する線維芽細胞や軟骨の軟骨細胞に取り込まれていること、吸収されなくても線維芽細胞の増殖を促進する作用が腸管で働いているなどの指摘だ。


 コラーゲンペプチドの機能を体系的に捉え、消化、吸収、輸送、作用の各分野での検証に、キューサイなどが取り組んだ。京都府立大の佐藤健司教授などの研究では「経口のコラーゲンペプチドは、皮膚の線維芽細胞、軟骨細胞に取り込まれている」ということが分かり、コラーゲンペプチドを摂取した時に、「血中に存在するペプチドは皮膚の線維芽細胞の増殖を促進する。これらの細胞は、皮膚が傷ついた時に修復に関して修復促進作用の可能性の示唆された」など各分野で画期的な成果を確認した。
 
 (歩行機能改善の)効果の検証に取り組んだ大阪市大の小池達也教授は、変形性膝関節症に関して、「個々人としては、運動や筋力強化、減量などの対策があるが、医療機関では痛み止めの薬、関節注射、装具、手術などが対処的で、有力な治療薬はない」とし、実験結果として「膝では有意差はないが、腰では、腰痛に伴う歩行機能障害の改善傾向を確認できた」とまとめた。今後の可能性についても「被験者の数を増やしていけば、更に興味深い結果が期待できるのではないか」とするなどエビデンスが市場を底上げする画期的な成果となった。関係者はエビデンスが重要であると自信を深めており、今後も研究の前進に注力するとしている。(健康産業新聞 主張より)

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