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【特集】コメ由来 「健康機能」で見直されるコメ

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 γ‐オリザノール、セラミド、γ-アミノ酪酸(ギャバ)、米ぬかアラビノキシランなど、コメ由来の機能性素材が注目を集めている。脳機能改善や抗メタボ作用などエビデンスデータの蓄積が進み、素材提案・製品開発が活発化。機能性表示食品も登場している。加えて、日本で伝統的に食されているコメ由来の機能性素材は、安心・信頼感や健康イメージの高さから国内のみならず、海外からの注目も高まっている。米加工食品では米国発のライスミルクのほか米油や米粉を利活用した商材が続々登場。欧米を中心に一大市場となっている“グルテンフリー”を日本で普及させるべく、産官がスクラムを組み、国産米粉の普及活動に乗り出している。

研究進む、コメ由来の機能性素材 セラミド、ギャバは機能性表示食品も

 日本人の主食である「コメ」には、多種多様な機能性成分が存在することが古くから研究でわかっている。主な機能性成分は、γ- オリザノール、セラミド、γ- アミノ酪酸(ギャバ)、フィチン酸、イノシトール、米タンパク質、米ぬかアラビノキシラン、植物性乳酸菌など。最近の研究報告では、琉球大学教授の益崎裕章氏が、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で、玄米に高濃度含まれるγ-オリザノールに脳機能改善作用や、糖尿病の改善効果などがあることを報告。「認知症やメタボ予防に活用できる」と話した。
米の付加価値を武器に事業者も活発な提案を進める。ライスケミカルのパイオニアである築野食品工業は、豊富なエビデンスデータをもとに、『こめ油』(乾燥肌改善効果)、『イノシトール』(脳機能改善、スモールデンスLDLの減少効果など)、『フェルラ酸』(脳機能改善、高血圧改善など)を供給。コメ由来の機能性素材は……

米粉普及、産官一体で始動 キーワードは“グルテンフリー”

 米加工食品の開発も進んでいる。昨年日経TRENDYで紹介された米国発ライスミルクや、植物由来オイルとして注目される米油のほか、最近は“米粉”を利用した商品の広がりが目立つ。ローソンは、プライベートブランド『ウチカフェ』、『ローソンセレクト』などで米粉入りパンを販売、エースコックではにいがた発「R10プロジェクト」で小麦粉の10%分を米粉に置き換える運動を実施、「うまさぎっしり新潟シリーズ」として製造販売を進めている。
さらに米粉の利活用には新たな訴求が生まれている。普及に向けたキーワードは欧米で一大市場を形成する“グルテンフリー”だ。米の消費量が減少しているなか、製粉業界などを中心に伝統的に主食として広く食べられている米の消費量拡大を目的に、グルテンフリーを訴求した取り組みが進んでいる。すでに国内産米粉を使用したグルテンフリー食品が多数登場。「健康博覧会2016」でも、関連製品が複数出品される。一方……

ウェブでは一部を公開。記事は「健康産業新聞 1592号」に掲載しています。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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