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国内外で臨床研究が進展、夢の若返り成分に膨らむ期待(特集/NMN)

中国や米国の富裕層を中心に人気を集め、日本でも徐々に注目を増しているNMN。ビタミンB3の一種で、生体内のサーチュイン遺伝子を活性化させ、老化を抑制することが示唆されている。国内外で、活発な研究が続けられ、昨年から今年にかけて、フレイル抑制やインスリンの働きを高める臨床データが登場。日本では、昨年3月に非医薬品リストに追加され、原料サプライヤーが急増。NMN配合のサプリやコスメが続々と上市されている。一方で、原料の品質やトレーサビリティを懸念する声も根強く、原料サプライヤーは対応を迫られている。

抗フレイル、中高年女性のインスリン活性など臨床データ続々

昨年3 月の食薬区分改正で非医薬品リストに追加され、国内市場でも注目を集めるNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)。もともと「若返りの薬」として、中国や米国の富裕層に人気のあった素材で、日本でも2015年1 月のNHKスペシャルの長寿革命番組で取り上げられたことで、注目を集めていた。

NMNは、ビタミンB3群に属し、自然界では枝豆、ブロッコリー、アボカド、トマトなどに極微量に含まれている。生体内では、ビタミンB 3、ニコチンアミドと結びつき、エネルギー産生を担うニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を生み出す。NAD+の前駆体は、NMNのほかにも存在するが、NMNはNAD+の直前の代謝産物であり、直接体内へ吸収される物質のため「最も効率的なNAD+ブースター」とされる。

NMNやNAD+に関する研究は、国内外で盛んに進められている。これまでに、皮膚や骨格筋、血中などのNAD+は、加齢と共に減少することが分かっており、それを補うことで生体組織の機能性不全を改善することが示唆された。また…(中略)

製造法は、化学合成or 酵母発酵 品質・トレーサビリティに注意

食薬区分の改正を受けて、昨年は、NMNを取り使うサプライヤーが急増。一方で、厚労省は、食品衛生法上の見地からNMNを食品素材、食品添加物のいずれかに該当するかの判断を保留しているため、取り扱いに慎重なメーカーも見受けられた。

健康食品や化粧品原料として用いられるNMNは、ニコチンアミドリボシドクロライド(NR)を基原料とし、化学合成法もしくは酵母発酵法にて製造される。

前者は、NRとL―リボーステトラアセテート等の化学物質を反応させ、合成したNMNをリン酸化する。抽出溶媒に水やエタノール以外を用いるケースもあり、日本で食品として利用する際は注意が必要だ。

後者は…(中略)

原料価格低下で新商品、続々登場

以前に比べて原料価格が下がったこともあり、NMNを配合した新商品が数多く登場している。日本では、19年に帝人グループが「1ヵ月分で約15万円」という高額なNMNサプリを発売し話題になったが、現在は、2 ~ 3万円前後のNMNサプリが増えている。

剤形は、ハードカプセルのほか、錠剤、チュアブル、ドリンクなど様々だ。乳酸菌、CoQ10、エラスチン、コラーゲン、レスベラトロールなど他素材と組み合わせるケースも見られる。また吸収性を高める独自技術を用いることで「身体への吸収性を高める」「腸までNMNを届ける」というようなコンセプトも目立つ。

NMNサプリの主な販路は…

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