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機能性食品輸出振興懇話会セミナー 韓国の制度など紹介

日本抗加齢協会の主催による「機能性食品輸出振興懇話会第3 回セミナー」が先月13日、都内で開催され、約70人が参加した。同協会副理事長で大阪大学大学院教授の森下竜一氏は、機能性表示に関するハーモナイゼーションの必要性に触れた上で「機能性食品をどのように輸出するかが大きなテーマ」と話した。

健康産業新聞164912機能性食品輸出振興懇話会セミナー

機能性食品開発協会代表理事の山本哲郎氏は、「機能性表示食品制度の韓国とのハーモナイゼーションについて」と題して講演、「健康機能食品」制度のある韓国では、制度を所管する食品医薬品安全処(MFDS)が、「機能性食品産業を振興するという立場をとっている」ことを説明。MFDSは企業からの相談にも積極的に対応、商品設計まで踏み込んだ開発支援を行っているという。また、韓国ではヘルスクレームのない機能性食品は消費者から支持されないことを解説。機能性表示を参考に商品選択を行うという健全な市場が形成されているとした。こうした中で15年4月、韓国で人気の「白首鳥(パクスオ)」配合製品に、不適切な成分が含まれていたことが発覚。同事件をきっかけに、MFDSが安全管理を強化。許可が厳しくなり、業界から不満が出る中、企業責任に基づく日本の機能性表示食品制度に強い関心が寄せられているという。今年3 月にはソウル市で同制度に関する公開討論会を開催。ただ参加した韓国農食品部とMFDSで意見が対立する場面もあり、今後、調整が必要な部分も残っている。

続いてDgSでのインバウンドの現状について、インテージの桜木祐之氏、小林製薬の荒木学氏が講演。桜木氏は、免税ドラッグでは「化粧品の伸びがすさまじい」といい、健康食品は「堅調」とした。荒木氏は、2017年の同社のインバウンド関連売上は75億円で、前年から20億円増えて、売上全体の4.8%になっていることを紹介。サプリメントでは「ナットウキナーゼ」が売れているとした。

パネルディスカッションでは、森下教授と、森下仁丹(株)社長の駒村純一氏をモデレーターに、パネラーとして消費者庁食品表示企画課長の赤暢彦氏も参加。今年度に委託でスタートした軽症者データ活用に関する検証事業について、結論を踏まえて、「必要があれば、ルールを見直していく」と述べた。

本記事は「健康産業新聞 1649号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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