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特集【アレルギー対応素材】行政施策追い風になるか、アレルギー対応市場拡大の兆し

日本では国民の2人に1人が何らかのアレルギー症状に悩まされている。厚生労働省では、新たな免疫アレルギー戦略として「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略」を今年1月に発表。機能性表示食品制度でも、今春のガイドライン改正で「アレルギー」領域で軽症者データの取り扱いが可能になった。行政サイドからの取り組みが本格化するなか、市場ではチシャトウ、シソ、乳酸菌、ジャバラなどのアレルギー対応素材が流通。機能性表示食品でも新規素材の受理が続くなど、各社の取り組みが活発化している。

■機能性表示食品、新たに6品目受理
抗アレルギーを訴求する機能性表示食品が増えている。昨年9 月時点で「目や鼻の不快感を軽減する」という機能性表示食品は14品だったが、1 年で新たに6 品目が受理。機能性関与成分はメチル化カテキンが15品目と多数を占めるが、ヒガシマル醤油が大豆発酵多糖類で、雪印メグミルクが乳酸菌ヘルベで受理されるなど、新規素材での受理も進む。

また機能性表示食品制度では、昨年度より軽症者データ取り扱いに関する調査・検討事業が実施され、今年3 月に報告書が発表。アレルギーワーキング・グループでは、「適切な保健の用途の領域」と、「健常域者(境界域者含む。)と軽症域者の区分」の2 点について検討を実施。

「適切な保健の用途の領域」については、具体的な保健の用途として「鼻目のアレルギー反応関係」としたほか、「軽症域者」については「鼻目のアレルギー反応を有し(過去に有していた者を含む。)、かつ、試験前及び試験期間中にアレルギー治療薬を時々摂取している(常用していない)者」であると報告した。

検討会では具体的な保健の用途として「花粉症」「ハウスダスト」「ダニ」という言葉を含めた検討結果を提出しているが、「制度運用上検討すべき事項」であり、「アレルギーWGにおいては結論を出すべきものではない」としている。(「消費者庁機能性表示食品軽症者域データ活用に関する調査検討事業報告書」より)。今後は制度の活用や行政の支援などにより、新たな機能性表示での受理や、新しい原料での受理が期待される。

■国民の2人に1人がアレルギー疾患花粉飛散量は18年・19年で急増
国内でのアレルギー疾患患者数は近年急増している。平成28年に発表された厚生労働省「アレルギー疾患の現状」によると、何らかのアレルギー疾患に罹患しているヒトの数は、平成17年には国民の3 人に1 人であったが、6 年後の平成23年には約2 人に1 人と増加、その後3 年間でもアレルギー疾患により医療機関を受診する患者数は増加傾向であることを報告している。

こうした状況を背景に、厚生労働省では平成29年に、アレルギー疾患対策基本法に基づき「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針」を公布。同年度に免疫アレルギー疾患研究戦略の策定に向けた予備検討を行うため、厚生労働省科学特別研究事業「アレルギー疾患対策に関する研究基盤の構築」が採択された。

昨年7 月から「免疫アレルギー疾患研究戦略検討会」を開催し、今年1 月には検討会報告書が発表。同戦略では、食品・飲料・化粧品メーカー等民間企業からのアプローチの必要性が指摘されていたが、最終報告書では「食品関連をはじめとする多くの企業が、免疫アレルギーへの理解を深めて多くの商品開発やサービスの提供を行っており、その活動の多くは、正しい知識や標準的な治療への理解に基づいた有益なものである」と報告した。うえで、「行政、学会、研究組織と患者・市民、あるいは食品生活産業等が連携して、正しい情報の発信に努める必要がある」と報告。

 

本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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