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エステ業界中心に化粧品にも(特集/幹細胞コスメ)

幹細胞とは、失われた細胞を再生して補い、組織の機能を回復させる働きを持つ細胞。培養の際に分泌されるエキス(培養上清液:ばいようじょうせいえき)には、グロスファクター(細胞増殖因子)やサイトカイン(生理活性物質)など数百種類のタンパク質が含有されており、米国や韓国ではエイジングケア原料として認知されている。

再生医療で進む幹細胞研究

エイジングケアを訴求する化粧品で幹細胞が着目されるようになった背景には、再生医療における幹細胞研究の進捗がある。

再生医療では、2014年11月25日、再生医療等安全性確保法と医薬品医療機器等法が施行され、国内の実用化推進の法整備が整い、従来は自由診療として、医師法の下に院内製剤で実施されてきた細胞治療に、一定の基準と規制が設けられ、安全で安心な治療として提供される医療に。

現在、1 ~ 3種に分類された再生医療に応じた基準のもと、許可を得た医療機関で、治療もしくは研究が行われている。

美容分野で実用化の進む培養上清液

国内では、脂肪由来間葉系幹細胞の肌再生美容研究を推進するロート製薬など、再生医療で幹細胞に焦点を当てた研究が進む中、近年、美容分野では、幹細胞の培養後に細胞を取り除いて得られる液体(培養上清液)の有効性に注目が集まっている。

培養上清液には、培養の際、細胞や組織再生に貢献度の高いグロスファクター(細胞増殖因子)やサイトカイン(生理活性物質)など数百種類のタンパク質が分泌され、幹細胞培養液による美白、しわ改善などの有用性に加え、再生美容領域では、育毛・増毛促進や歯周病治療といった分野への可能性も示唆されている。

エステ業界中心に化粧品も

市場では、㈱ローヤルコーポレーションの『SCJシリーズ』や、ウェーブコーポレーションの『HAS』、アテニアの『インナーエフェクター』、㈱ポイントピュールの『琉スパ プラチナラップマスク』など、培養上清液のエイジングケアに着目した化粧水、美容液、美容オイル、まつ毛美容液、フェイスシートパック、ヘアローションなどさまざまな化粧品が“幹細胞コスメ”のキーワードで美容エステ・スパを中心に流通している。

幹細胞培養液コスメの化粧品OEMについては、コスメシューティカル㈱やエンチーム㈱、木下製薬㈱などが対応している。

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