プロテオグリカンの市場拡大が続いている。プロテオグリカンを関与成分とする機能性表示食品は前年比2割増の180品目。関節・美容系の豊富なエビデンスが評価され、高齢者や女性層向けの新商品開発を中心に採用が増加しており、サプリメントや化粧品はもとより、ドリンクやグミ、ゼリー、ペットフードといった分野にまで採用が拡大している。大学や医療機関における新知見解明も進むほか、産学共同開発の新原料も登場している。
本格供給開始15年目、市場拡大続く
プロテオグリカンは、プロテイン(タンパク質)とグリカン(多糖)の複合体で、コラーゲンやヒアルロン酸とともに、人間を含む全動物の軟骨や皮膚などに豊富に存在し、細胞と細胞の間を埋めて固定
化する役割を担い、足りなくなると肌のシワや関節痛などが誘発される。もともと牛や鯨などの軟骨を原料に、薬品を使用した複雑な工程による精製で“グラム3,000万円”の研究試料として“夢の機能性成分”だったプロテオグリカンは、2000年に青森県の産学官で世界初の量産化技術が確立され、2010年に原料供給が本格化した。その後、関節・美容系のエビデンスが豊富な点や、高い体感性を有することが評価され、健食、化粧品共に市場が拡大している。市場には、北海道産サケ鼻軟骨由来を中心に、イカ軟骨由来の原料などが流通している。近年は国産サケ鼻軟骨の再資源化に成功したSDGs対応素材としての認知度も向上している。
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