統合医療

米サプリ、医療現場での利用進む

 米国医師の60%から75%がサプリメント利用者であり、患者にも診療科に応じてサプリメント利用を提案しているという報告が、学術誌NutritionJournalに掲載された。報告によると、診療科特有のトラブルに応じた成分・素材が選択されており、サプリメントが臨床で応用されていることが浮かび上がってきた。


 CRNのA.Shao氏らCRN研究班が、循環器科・皮膚科、整形外科の専門医各300名、合計900名を対象にサプリメント利用実態について調査を行った。循環器内科医の57%、皮膚科の75%、整形外科の73%が、サプリメント利用者と回答し、最も利用されていたのはマルチビタミン、続いて、オメガ3 系脂肪酸も25%、ハーブ系サプリメントも20%と高い利用割合を示した。
 さらに患者へサプリメント利用を提案しているのは、循環器医で72%、皮膚科で66%、整形外科で91%と、高い割合で患者へのサプリメント推奨が行われている実態も示された。循環器専門医ではオメガ3系脂肪酸/魚油・コエンザイムQ10、皮膚科ではビタミンE・D、整形外科では、グルコサミン/コンドロイチン・カルシウム・ビタミンD、などを素材を患者に推奨しているという。サプリメントを患者に勧める理由は、診療科によって異なることも浮かび上がった。循環器医では「循環器の健康維持」「コレステロールの低減」など、皮膚科では「皮膚、髪の毛、爪に有用」、整形外科医では「関節・骨の維持」が挙げられた。
 さらに、医師らは、学術雑誌と臨床研究でのエビデンスが、サプリメントに関する信頼できる情報源だと述べている。特に関心ある情報として、サプリメントに関する基本的な事項、医薬品との相互
作用、患者に対するサプリメントカウンセリングの在り方、サプリメントをめぐる法律的、医学的、倫理的な問題、などが挙げられた。ほとんどの医師は、医学専攻の正規教育のなかで、サプリメントを学ぶ機会がなかった。しかし、3 人に2人は卒後継続研修においてサプリメント製品に関する医学教育を受けることに意欲的であったという。

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