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【特集】抗肥満・抗メタボ 健康寿命を左右 食後血糖、抗炎症、腸管免疫キーワードに

受理数900品を超え、1,000品到達間近となった機能性表示食品。その内約半数近くを占めるのが、糖、脂肪、コレステロール、血圧などの抗メタボカテゴリーだ。先月末時点で423件が該当し、サプリメントはもちろん、飲料、加工食品と幅広い商品が受理されている。現在2,000万人以上いるといわれるメタボリックシンドローム該当者(予備軍含む)。メタボを要因とする循環器系疾患の医療費は6兆円規模に膨れあがり、医療費高騰に歯止めがきかない状況だ。まさにメタボ病態は健康寿命を左右するとして、その対策が急務となっている。近年の研究では、慢性的な炎症や腸管免疫がメタボ発症、促進のメカニズムに大きく関わっているとして、キーワードに。機能性素材でも、これらエビデンスを有する実力素材の提案が積極化している。


消費者気になる“お腹の脂肪”
約70%が「機能性食品摂取したい」

厚生労働省が昨年発表した平成27年度の医療費動向では、国民医療費は41兆5,000億円となり、前年度に比べ6,267億円、3.8%増と歯止めがきかない状態に。なかでも医科診療医療費を傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」が最も多く、次いでがんなどの「新生物」となっており、血管疾患による医療費が極めて高いことがわかる。

血管疾患のカギを握るといわれているのがメタボリックシンドローム。メタボ状態にあると動脈硬化が進行しやすく、狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞などの血管疾患を起す危険性が高くなることがわかっている。現在メタボ該当者・予備軍は2,000万人規模となっており、国民病になりつつある。こうした実態を裏付けるように、民間企業が実施した消費者調査では、脂肪が気になる部位を聞いたところ、男女ともに 7 割以上の人が、「体脂肪(皮下脂肪+内臓脂肪)」、特に「おなか周り」の脂肪を気にしていることが分かった。調査は、脂肪対策として「機能性表示食品」「特定保健用食品」「OTC医
薬品」のいずれかを摂取したことがある30~60代の男女626人を対象に実施したアンケートで、脂肪対策商品に対する今後の摂取意向を聞いた項目では、「(どちらかというと)摂取したい」と回答した人
は「機能性表示食品」で69.5%、「特定保健用食品」で72.4%、「OTC医薬品」で48.1%、「病院での処方薬」で……

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抗炎症や免疫活性など、
メタボ対策の切り口広がる

近年、メタボをはじめ、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こす要因として注目を集めるのが慢性的な炎症。肥満と炎症、炎症とメタボは深い関わりがあるとされ、研究が推進されている。

千葉大学大学院教授で医学部附属病院副院長の横手幸太郎氏は、「中性脂肪が増加することでLDLコレステロールが小型化し、超悪玉コレステロールに進行する」と指摘。「高血糖や高血圧、高脂血症傾向になると、白血球などの単球が血管内皮細胞より取り込まれ、マクロファージに変化し、さらにLDLコレステロールとマクロファージが結びつくことで炎症性サイトカインを増殖させる」という。

また、宮城大学食産業学群教授で薬学博士、医学博士の西川正純氏は、「メタボの進行により冠動脈疾患などのリスクが高まるとし……

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