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【インタビュー】熱帯産プロポリスを研究 -熊澤茂則先生 静岡県立大学 食品栄養科学部 食品生命科学科 食品分析化学研究室 教授-

 

静岡県立大学_熊澤茂則教授_健康産業新聞1643

熊澤茂則先生
静岡県立大学 食品栄養科学部 食品生命科学科 食品分析化学研究室 教授

―― 最近のプロポリス研究について

熱帯や亜熱帯地域で採集されるプロポリスの含有成分や機能性について研究をしています。最近、特にユニークだと思うのはハリナシバチが生産するプロポリスです。ハリナシバチとは文字通り、毒針を持たない小型のミツバチで、インドネシアやブラジルをはじめとする世界各地の熱帯地域に生息しています。2年前にイギリスのグラスゴーでプロポリスの第1回国際会議が開かれましたが、私はそこでインドネシアのプロポリス研究者と出会い、インドネシアのハリナシバチのプロポリスを紹介され、共同研究を始めることになりました。また同じ頃に、タイの研究者からもハリナシバチ由来のプロポリスに関する相談があり、こちらも共同研究を開始しています。昨年、インドネシアとタイの養蜂場を訪問し、現地でハリナシバチのプロポリスの調査を行いました。ハリナシバチは主にポリネーター(受粉媒介用)として利用されていましたが、プロポリスだけでなく独特の風味のハチミツも生産します。これらハリナシバチ由来のプロポリスやハチミツ中の成分や機能性はまだ十分に研究されていませんので、今後も研究を続ける必要があると考えています。

今年9月には、ブルガリアで第2回のプロポリス国際会議が開かれる予定です。私はこの会議の実行委員になっており、現在準備を進めています。前回のグラスコーの大会では、日本からの参加者は私一人でした。そのため日本を含めたアジアから多くの学会参加者を期待したいところです。

―― プロポリス研究の進展によって期待できること

養蜂産業は世界中で行われていますが、プロポリスを有効に利用しているのは、ごく一部に過ぎません。多くの地域ではハチミツを採るためだけに養蜂を営んでおり、プロポリスは廃棄されているのが現状です。プロポリスの有用性が明らかになれば、ハチミツだけでなく、プロポリスにも商品価値が広がります。そうなれば、その地域の経済発展を支援することにつながります。

―― プロポリスの機能性表示に関して

プロポリスに関する研究例は沢山ありますが、そのほとんどが試験管か動物レベルでの試験例で、ヒト試験の研究はほとんどありません。そのため、ヒト試験での有効性が確認されたプロポリス研究の例を集め、正しい情報を提供していくことが必要だと思います。将来的にプロポリスも、機能性表示食品として販売されるようになってくるかもしれません。しかし、不適切な表示のために健康被害などが発生したとき、小さな企業が責任を負うのは難しいでしょう。また、健康被害が出てプロポリスのイメージが悪くなると、業界全体に影響することも懸念されます。このような事態を防ぐために、業界が一体となって適切な表示に向けたプロポリスの情報を共有することが必要だと思います。我々研究者としても、適切で正しい研究成果を業界に伝えていくことが益々重要になってくると感じています。

本記事は「健康産業新聞 1643号」特集内に掲載しています。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50ページ)定期購読のお申し込みはこちら

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