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元気な高齢者が活躍できるフィールド 「ハッピーでヘルシーな」新潟発プロジェクト

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 今月8日、新潟市内で開かれた健康ビジネス協議会定時総会では、健康で幸せな老いを目指す取り組みHAS(Happy and Healthy Aging Scene)のプレゼンテーションが行われた。これはSNSなどを使い、様々な企業をマッチングすることで、高齢化社会に新たな展開をもたらそうとする取組みで、すでにいくつかのプロジェクトが少しずつ進行中。HASを推進するインテグラス㈱の木村覚氏(取締役)と伊藤愛氏、そして健康ビジネス協議会常任理事である阿部徳義氏の3名にお話を聞いた。


―HASが動き出すまでの経緯は?
(阿部)
 「HASがスタートしたのは3年ほど前のことだ。それまではHAR (Happy and Healthy Aging Room) だったのを、HAS(Happy and Healthy Aging Scene)として、2030年超高齢社会に於いてハッピーで健康な生活シーンに向けた製品やサービスを創出するプロジェクトとして進めている。
 この3年間、規約だとか、どういう方向性で行こうか、というところで、まさに七転八倒だった。ただしその間、会員のなかですでに高齢者が元気で幸せな生活を送れるような製品が生まれており、そういうものを認めながら、事例として示していった。」
(木村)
 「そういうトップランナーがいないと、なかなか他の会員の皆さんもどういうことをしていいのか分からない部分があるので、トップランナーの取組みをアピールしながら、認知活動に努めていたというのがこの3年間だったといえる。」
(伊藤)
 「『ハッピーでヘルシーなシーン』といっても、漠然としていて、具体的になかなかイメージがつかめない。そのため、2030年までにはこういう人口比率になるとかのデータのほかに、体が不自由だったらとか、移動の手段がなかったらどうしようとか、具体的な状況を想定した上で、理想的なイメージをリストアップしていった。まずはシナリオというか、台本のようなものをまとめ、ノウハウブックを作成し、それを読んでもらった人がイメージを膨らませることで、そこからビジネスに落とし込んでいければ、と考えた。」
―皆さんにとっての「ハッピーでヘルシーなシーン」とは?
(伊藤)
 「高齢者向けというのが見えがちだが、結局、元気なのに何もしない高齢者が増えるということは、若い世代も含めて全体にとって不幸な状況だといえる。これから元気な高齢者が増えてくるので、お金を儲けるという仕事とは違う部分で、自分が社会にどう役に立てるかであるとか、いままでの経験を生かしたいという思いがあるはずだ。それを実現するためのフィールドを作っていくことがHASの課題だと考えている。それは若い世代の幸せにもつながるはずだ。」
(木村)
 「シニアだけではハッピーなシーンは描けないと思うので、多様な年代を巻き込んだものになる。また新潟だけでもそういうシーンは作れないので、地域も多様になる。そういうタテにもヨコにも多様な中で、みんなが笑顔になれる、持続可能なビジネスをしっかりと作っていきたい。
 例えば東京の人が新潟に旅行し、『ここで子育てしたい』と思う人もたくさんいるが、仕事がないために東京に居続ける人が多い。その意味で、ビジネスから産業を生み出していきたい。産業ができれば、若い人も地方に来るはずだと思う。ビジネスを中心に据えることが肝心だと考えている。」
―「新潟発」への思い入れは?
(木村)
 「地域同士のつながりを考えれば、新潟が必ずしも東京を向いてビジネスをする必要もないし、新潟から全国へ、さらには世界へ、ということも十分考えている。」
(伊藤)
 「新潟には良いものがたくさん眠っていると思う。例えば冬には白鳥がやってきて、普通の田んぼでも姿を見かける。都会の人間からすれば、そういう貴重な情景も、地元の方にとってはなんでもないことで、普通の情景。そういう隠れた資産が新潟にはたくさんあると思う。」
―これから具体的にはどういうことに取り組んでいくのか?
(木村)
 「一つの会社で悩んでいることがあったとして、実はヨコを見てみると、同じようなことで悩んでいる人がたくさんいたりする。ある技術を提供したい会社がいたとすれば、その技術を必要としている会社も必ずいるはず。東京のベンチャー企業だと盛んに自分のことをアピールするが、地方の場合は、聞いてみるまでなかなか出てこない。だから、そのための場を作る必要があると考えている。こういう技術が必要だとか、こういう資源を持っているだとか、あるいは、こんなことで悩んでいるだとか、そういうことを普通に話せるような場を作りたいと考えている。」
(伊藤)
 「もちろん商品を売りたいというのは当然だが、それ以前に、どういう社会にしたいとか、そういう大きな思いが必ず商品には込められている。そして同じ思いを共有する会社が集まれば、一つのコミュニティーができてくる。あちらこちらで単発で打ち上げてもきれいな花火にはならない。」
―結局HASを一言でいえば?
(木村)
 「それぞれがイメージしているシーン、つまり『こういうことをやりたい』という思いをつなげる場、そういう触媒のような場を作れば、いろいろなことが起こりそうな予感を持っている。みんなが夢中になれるシーン、例えば、こういうハッピーなシーンを作りたいだとか、そういうシーンが人を夢中にしていくこともあると思う。」
(伊藤)
 「企業同士のお見合い、といってもいいかもしれない。実際にお見合いをやってみると、多少業種が違ってもこことはやりたい、とか、うまくマッチしていてもこことはやりたくない、とかそういうことがはっきりとわかってくる。結局は人と人とが直接会ってみないと分からないし、そういうフェイス・トゥ・フェイスの場をプロデュースしていくのも重要だと考えている。そのうえで、ネット上のSNSであったり、いろんなツールがあるのだと思う。」

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