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サケ由来機能性素材―プラセンタ、PGが好調、美容、ロコモスポーツ分野などで拡大

肌やロコモ対策などで豊富な機能性データをもつサケ由来の機能性素材の市場は年々、順調に拡大している。なかでもインバウンド化粧品で好調なプラセンタや、大手各社で製品化が進み、機能性表示食品に活用されるプロテオグリカンが好調で、前年の倍のペースで出荷が進む原料メーカーも。昨年、一部MLM系企業への行政処分などが影響し、供給量が減少した核酸もスポーツ、美容用途で採用され回復基調に。サケ由来機能性素材の最新動向をレポートする。

■プラセンタサプリ市場250億円インバウンド化粧品でも好調

 サケは「捨てる部位がない魚」と呼ばれ、身にはアスタキサンチン、アミノ酸、ビタミンD、皮にはⅠ型コラーゲン、鼻軟骨にはプロテオグリカン、「型コラーゲン、コンドロイチン、白子(精巣)には核酸、卵・脂肪にはEPA、DHA、卵巣外皮にはプラセンタ様成分― など、各部位に有用成分が含まれている(図1)。サケ卵巣外皮に含まれるプラセンタ様成分は、活力や疲労感軽減、妊活や更年期症状の緩和などを訴求した商品に活用される。日本バリアフリー、協和薬品、プラネット、日本食菌工業、活里、ホシケミカルズなどが取り扱い、1 キロあたり3 ~20万円で流通する。現在、広範囲な機能性研究が進んでおり、今後はアミノ酸を豊富に含む特長を活かし、サルコぺニア対策やストレスや抑うつ関連の製品開発も進む見込みだ。サプリ用途での市場規模は、約250億円と見られる。また化粧品用途でも採用が進んでおり…

■PG製品市場規模350億円を突破機能性表示食品10品受理

 サケ骨軟骨に含まれるプロテオグリカン(PG)は、タンパク質と糖鎖が結合した複合糖質の1つ。体内では軟骨や皮膚に存在しており、コラーゲン、ヒアルロン酸の働きや産生を促進することによる肌の抗シワ、保湿作用、軟骨の復元を促す再生力がもたらす関節サポート作用があり、化粧品、健康食品への採用が進んでいる。おもな原料サプライヤーは、一丸ファルコス、リナイス、日本薬品、バイオマテックジャパン、ホルス、プラネットなど。PGは、複雑な構造の高分子体であるため、コラーゲンやヒアルロン酸に比べ、成分抽出が難しく、かつては1 グラム当たり3,000万円という超高額な製造コストがかかったが、低コストな抽出技術が確立され、現在では1 キロ当たり…

■核酸素材、スポーツ美容用途で採用増

 核酸(DNA)は、植物種子、魚類の白子、動物の精巣に含まれており、特にサケの白子には多く含まれている。核酸は、基礎代謝に関わる健康維持・増進に大きな役割を果たす栄養素であり3大栄養素、ビタミン、ミネラル、食物繊維に並ぶ「第7 の栄養素」と呼ばれている。おもな原料サプライヤーは、マルハニチロ、ナチュラルケア、バイオケム、プラネットなど。サケ白子の核タンパクからは、核酸(DNA)のほか、塩基性タンパク質(プロタミン)、ポリアミンなどの機能性成分が抽出でき、原料として活用されている。近年では、NPO法人遺伝子栄養学研究所や神戸大学などで機能性研究が進められ、筋肉維持や抗疲労、肌質改善作用などのエビデンスが構築される。

…(中略)…
昨年一部会員の不正勧誘活動により、消費者庁から行政処分を受けたフォーデイズは、主力の核酸ドリンク『ナチュラルD N コラーゲン』の売上が264億円(前年比91.3%)と減少したが、市場全体では、スポーツ用途でのサプリや、一般食品、化粧品への採用が進み、受託メーカーへの受注数は増加、新たな商流が生まれている。成翔は、核酸と大麦若葉を組み合わせた『真生-MAO』が前年比2 倍の売上を記録している。美容・エイジングケア、ロコモ対策など、昨今注目を集めるカテゴリーと訴求できるサケ由来の機能性素材は…

本記事は「健康産業新聞 1657号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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