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高まる品質・安全性確保の要求レベル 「GMP体制を核にさらなる充実を」(JIHFS理事長・池田秀子氏)

( 一社)日本健康食品規格協会(JIHFS:The Japanese Institutefor Health Food Standards、東京都文京区)は、①健康食品GMP、②原材料GMP、③輸入健康食品GMP(GMPI)、④輸入原材料GMP(GMPIM)の合計4種類のGMP認証を行う(表参照)。認証の流れや諸外国と比べた日本の現状も含め、同協会理事長の池田秀子氏に話を聞いた。

GMP認証では、1 施設あたり100時間をかけてチェックする。海外向けを含め、これからGMP構築に取り組む企業のスタートアップ支援はもとより、認証を更新する企業に対しても、事前に提出された監査員全員の意見を踏まえ、工場視察を含む各施設の問題点の有無を審査する。認定の際には、市場の国際化の中でGMP認証取得を活用できるよう、日本語と英文の両方の認定書を発行。なお、毎週水曜日には、GMP相談会(予約制)も実施しており、新工場設計やGMP導入、海外向けGMPなどさまざまな相談に応じている。欧米と比較すると、米国は、栄養補助食品健康教育法(Dietary Supplement Healthand Education Act DSHEA of 1994)の基準に照らし、必要条件が満たされた場合、機能構造表示(Structure Function Claim)、栄養成分含有強調表示(Nutrient ContentClaim)が認められている。

一方、欧州では、1997年以降に食用実績のない方法で製造された食品・食品原料をNovel Foodとして規制している。これらはGMP認証が事業者の自主性に委ねられている日本が欧米と比べて足りないところ。先ごろHACCPの手引書も示されたが、野菜・果物と、錠剤・カプセルに求められる品質・安全性の要件は違って当たり前。小ロット・多品種製造をメインとするサプリメントの品質・安全性を担保するには、HACCPだけでは無理で、企業が独自の裁量でやることも難しい。サプリメントに多い成分量のバラつきやコンタミの問題など、製造工程を間違いない作業でできるように、第三者機関を通してGMP認証を行ってチェックすることは、本来、やる企業とやらない企業があるという状況であってはならず、“すべては消費者のため”と捉える業界の在り方にかかっている。JIHFSでは今後も、米国、韓国、中国などグローバル市場戦略を視野に、GMPガイドラインがより高度になっていく中、人類の健康という重い課題にサプリメントが本質的な価値を発揮できるよう、4種類の認証を揃え、公平かつ客観的な立場から品質を保証すべく、申請企業について監査していく。なお、輸入原材料GMPの認証も行っており、市場の大半を占める輸入原料を取り扱う事業者に、より多く活用頂きたい。

本記事は「健康産業新聞 1663号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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