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抗糖化は健康美容対策の常識に、不妊への影響など進む糖化研究

AGEs測定法の研究や、糖化ストレスの抑制対策、抗糖化素材の探索に至るまで、幅広い視点から糖化ストレス研究を行う同志社大学教授の八木雅之氏。アンチエイジングや疾病予防という観点からも糖化ストレス対策は今後ますます重要になってくるという。糖化ストレスに関する研究のみならず、抗糖化に関する普及啓発活動も精力的に行う同氏に、糖化ストレスについて現況を聞いた。

糖化の一般認知度は50%以上との調査結果もあり、抗糖化が健康美容対策の常識になってきた。米飯よりも野菜を先に食べる食事法は2010年に論文発表された食後高血糖(グルコーススパイク)抑制方法で、ベジタブルファーストとして定着した。プレーンヨーグルトを先に食べるヨーグルトファースト、大豆を先に食べる大豆ファーストにも同様の作用があり、わかりやすいキャッチフレーズは抗糖化の普及に貢献している。○○ファーストによる食後高血糖抑制作用は、食物繊維が小腸で糖の吸収を抑える、乳酸や酢酸が胃から腸への消化物の移動を緩やかにする、たんぱく質がインスリン分泌を促進する消化管ホルモンであるインクレチンの分泌を促すことなどが関与している。さらに、食後は血糖と同時に糖化反応中間体として知られるアルデヒド類の血中濃度が上昇することが明らかになってきた。その一つであるメチルグリオキサールは血管内皮細胞にダメージを与えることが知られており、食後アルデヒド上昇抑制も新たな糖化ストレス対策になる。糖化の研究は様々な角度から進められている。皮膚中の糖化最終生成物(AGEs )蓄積量と軽度認知障害(M C I )との関係を調査した結果では、AGE R e a d e r の測定値が2.27以上の人にM C I が有意に多く存在した。既に認知症患者の脳内のA G E 蓄積量は多いことが知られている。皮膚中AGEs蓄積量の測定は、認知症リスクの早期発見に繋がる可能性がある。抗糖化作用を有する素材の摂取試験では、生殖補助医療(ART )における体外受精の成功率上昇がみられている。不妊症と糖化ストレスの関係は解明されつつある。一方、食事由来のAGEs の影響については課題が多い。食品の加熱調理はAGEs 量を増加させる。しかし様々な食品中のA G E s 量を正確に測定することは困難である。また同時に摂取する食品によるAGEs の吸着作用の効果は未解明である。皮膚中AGEs 蓄積量の測定機器は数種類あり、機種や測定部位によって測定値が異なる。血中AGEs の測定方法は研究機関によって異なり、測定値も異なる。最近、糖化ストレス測定受託の専門機関が発足した。糖化・抗糖化の健全な発展と普及には、メーカー、受託測定機関、研究会・学会、大学などが連携して測定方法の標準化を進める必要がある。

本記事は「健康産業新聞 1663号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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