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特集【奈良県】地場産業活かした『漢方のメッカ推進プロジェクト

奈良県では、地場にゆかりの深い“漢方”を活かした『漢方メッカ推進プロジェクト』を推進。県研究機関、地元企業らと連携し、薬用作物の生産拡大とともに、漢方派生食品の製品化に向けた研究等に力を入れている。県内には、製薬や配置など地場産業の利を活かし、飲料受託製造で国内外で活躍する企業や、産学連携による新素材開発で新たな商流を目指す取り組みなども見られる。

■日本最初の薬猟(くすりがり)の地

奈良県の漢方の歴史は、飛鳥・奈良時代にまで遡る。日本書紀には推古天皇が宇陀地方で薬猟(くすりがり)をされたという記述(611年)がある。また、地場産業のひとつである配置業は、奈良時代の唐僧である鑑真の施薬が発祥といわれる。江戸時代末期には大和売薬として全国的に行商圏が広がった。シルクロードの終着点として様々な文化や知識、技術が伝わる中、医薬術は日本の礎として地場産業へ発展。薬業創業者である、近江屋長兵衛氏(現・武田薬品工業)、津村重舎氏(現・ツムラ)、山田安民氏(現・ロート製薬)などにより、身近な薬草や天然物を利用して自身の健康維持を図る民間薬の知識と経験が蓄積された。

県内には薬草園が多く、春日大社神苑萬葉植物園や奈良県薬事研究センター薬用植物見本園、森野旧薬園、田村薬草園(田村薬品工業)などがある。これらは観光名所としてだけでなく、薬草栽培の指導者養成研修などに活用されている。

■地場産業「薬」を活かした「食」開発

こうした背景を産業振興に繋げるため、県では、『漢方のメッカ推進プロジェクト』を推進している。奈良県は、漢方の歴史・文化的厚みや、地場産業として進化してきた特徴があり、新たな商品・サービスの創出を目指すプロジェクトである。部局横断体制で県内産業の活性化を図るべく、平成24年12月に発足。令和元年度予算は、各部局で3,481万円を計上。今月18日には、健康寿命の延伸を目指し、「食と健康フォーラム」を開催する。奈良県知事・荒井正吾氏が登壇するほか、基調講演「地域の特産品を用いた機能性食品の研究開発~産官学+民の連携を目指して~」(近畿大学農学部教授・米谷俊氏)や、漢方のメッカ推進協議会による研究発表会などを行う。

グルメ販売会では、プロジェクトの最重点作物である大和当帰をトッピングに使用した素麺や、大和野菜スムージーなどの試食を提供するほか、柿や葛を使用した商品などを販売する。また、県産業・雇用振興部産業政策課では、来年3 月開催の「健康博覧会2020」に出展予定。プロジェクトの普及拡大とともに、大和当帰を使用して開発した和漢ドリンクや健康茶、乾燥粉末などのほか、入浴剤、調味料といった漢方関連商品の販売促進に力を入れていく。

県が平成27年7 月に設立した「奈良県漢方のメッカ推進協議会」には、ロート製薬、ハウスウェルネスフーズ、タマノイ酢、大和ハウス工業、大阪大学など会員数は145会員(4 月末現在)。セミナーや交流会、活用検討会などを展開しており、企業同士がマッチングし、新商品の開発につながったケースも出ている。

 

本記事は「健康産業新聞 1677号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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