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特集【霊芝】日本霊芝(Reishi)、海外で利用広がる

伝統キノコ素材として健康食品業界で約40年の歴史を誇る霊芝。日本の優れた栽培・加工技術、品質管理に対する信頼は高く、“日本霊芝(Reishi)”が
海外で人気に。国内市場は、免疫サポート素材として高齢者を中心に支持されている。「血流改善」「内外美容」などを切り口に女性層の開拓が進むほか、ライトユーザー向けの製品開発もみられる。機能性研究では、脳機能や抗酸化に関する新たな研究成果が報告されている。また、機能性表示食品に照準を合わせた取り組みもみられる。

■信頼高い国産霊芝、海外で高評価

ここ数年の霊芝市場をみると、日本の栽培・加工技術や品質管理などが、海外から高い評価を受け、国産霊芝に対する需要が高まっている。海外展開を進める日産化学工業は、「香港は政治的影響から伸び悩んだが、カナダの堅調な成長に加え、ベトナム、マレーシアなど新興国での販促活動が実を結んでいる」と手応えをみせる。

健食用キノコ販売老舗のチハヤは、中国、台湾、米国への供給量を伸ばしている。「直井霊芝」配合サプリメントを販売するリンクスは、中国市場への進出も視野に入れる。今夏に開催される東京五輪や、大阪万博を控えるなか、“日本霊芝(Reishi)”はインバウンド需要の増加も期待される。

国内市場は、高齢者を中心としたリピーターに支持され安定した市場を形成する。流通商品は、免疫強化を訴求した複合品が多く、期待できる効果を高めた単品も根強い人気がある。霊芝の様々な健康機能も解明され、健康維持や未病対策として利用が進むほか、「血流改善」「女性ホルモン」「内外美容」などを切り口に、中高年をはじめとした女性層の獲得につながっている。

コカ・コーラシステムが昨年発売したエナジードリンクには、6 種の東洋素材の1 つとして霊芝が配合されており、販売メーカーからは「霊芝の認知向上に期待したい」といった声が複数社から聞かれた。

一方、米国ではサプリメント、飲料、パウダー、リキッドなど様々な商品形態の霊芝商品が流通し、人気を呼んでいる。米国植物評議会(ABC)が発表した「ハーブ・サプリメント市場レポート2018年」によると、主要小売店舗を除く、2018年の自然食品小売店舗の売上成長率では、トップのCBD、エルダーベリー、キノコ類に続いて、霊芝は40カテゴリー中4 位にランクイン。

免疫維持・予防訴求した製品が米国市場では成長しており、その中でもキノコや霊芝の需要が増加しているという。販売メーカーの商品開発担当者は、「日本もライトユーザー向けの商品拡充が必要」と話す。

■国内生産量40t前後、生産者の人材育成が急務

中国では、古来より不老長寿薬として重宝されていた霊芝。現在、国内市場に流通する霊芝の栽培は、信越、北関東を中心に北海道、近畿、九州などで行われており、国内生産量は40t前後とみられる。国産原料の主なサプライヤーはチハヤ、たるほ産業、リンクス、パワフル健康食品など。海外原料では、中国、台湾、韓国産などがあり、サンクト、チハヤ、たるほ産業などが取り扱う。

サンクトは昨年より、中国産の霊芝原料の取り扱いを開始。海外実績豊富な霊芝原料として提案を進めている。各社は菌種の種類、産地、栽培法、抽出法、トリテルペノイドなど他キノコにない霊芝特有の成分などで差別化を図る。食の安全性に対する意識が高まる中、有機原料を扱う企業や、トレーサビリティへの取り組みが目立つ。

    本記事の続きは「健康産業新聞1684号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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