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ビタミンD欠乏が新型コロナ被害を増大、世界各国から研究報告相次ぐ(連載「話題追跡」)

ビタミンD 欠乏と新型コロナ感染症の重症化の関係性について、世界各国から続々と研究結果が報告されている。米国シカゴ大学医学部が行った調査結果では、ビタミンD欠乏者は、そうでない人に対して陽性となるリスクが1.77 倍に上昇したほか、イスラエルの研究では、ビタミンD欠乏者は感染後に入院となるリスクが1.95 倍だった。さらにインドネシアの研究では、患者の内、ビタミンD 欠乏者の99% が犠牲者となった。研究者は「巣ごもり」で日照不足の人などに注意を呼び掛けている。

「新型コロナウイルス予防に根拠のあるサプリメントや特定の食品はありません」とは、消費者庁が繰り返している注意喚起であり、不適切に効果・効能を謳う表示や広告は許されない。

しかし一方で、ビタミンD欠乏と新型コロナ感染症の重症化の関係性については、ここ6ヵ月の間に世界各国から研究結果の発表が相次ぎ、さながら研究レースの様相を見せている。

米国シカゴ大学医学部が5 月に発表した調査結果では、新型コロナの治療を受けた患者の内、過去の電子カルテの記録が残る489人を検証。ビタミンD欠乏者(血中濃度20ng/mL未満)は、そうでない人に対して陽性となるリスクが1 .77倍だった。

同様にイスラエルのテルアビブ大学が7 月に発表した研究成果では、ビタミンDレベルが30ng/mL未満の人は、検査で陽性になる可能性が1.45倍、入院する可能性が1.95倍となった。

また、韓国・インハ医科大学が8月に発表した研究結果では新型コロナ感染者のうち76%がビタミンD欠乏者だった。

インドネシアのスカマラ地区病院が4月に発表した予備報告では、780人のCOVID-19患者を対象とした調査で、20ng/mL未満のビタミンD欠乏者179人の内、98.9%が死亡したことがわかった。一方でビタミンD充足者(30ng/mL超)388人の内、死亡した人は4.1%だった。

ビタミンDの主要な働きとしては、腸管からのカルシウム吸収や骨形成の促進が主に知られるが、その他に免疫調整の役割も担い、自然免疫を担うマクロファージ、および樹状細胞の働きをサポートすることがわかっている。

4 月に発表された米国サンフランシスコの日照栄養健康研究センターの研究によると、ビタミンDはウイルスの複製率を低下させ、肺の内壁を傷つけて肺炎を引き起こす炎症誘発性サイトカインの濃度を低下させる可能性があるという。

各国の研究者はビタミンD欠乏への注意を呼び掛けている。日照不足も影響し、巣ごもりで屋内生活が長い人、高緯度地方に住む人、皮膚にメラニン色素を持ち日照が妨げられやすい非白人の人などに、特に注意を呼び掛けているが、日本人のビタミンD不足は実は深刻だ。

日本人のビタミンD充足率は…

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