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【コラーゲンペプチド】国内販売量5,614トンに

 美容訴求の代表素材として安定した売上をみせるコラーゲンペプチド。近年では膝の違和感や不快感の軽減を表示する機能性表示食品も数多く登場し、受理品は100品目前に。さらにここ数年はタンパク増強を目的にプロテインとの併用を目的とした商品開発が進んでいるほか、プロテインの代替素材としても注目されるなど世界的にコラーゲンニーズが高まっている。こうした需要増を背景に、中国から新規原料サプライヤーが日本のみならず世界市場にも参入してきており、価格競争が激化しつつある。先月、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が発表した会員企業による最新のコラーゲンペプチドの販売量は、こうした価格競争による影響を受けてか2年連続で前年割れとなった。ただ、日本のコラーゲンメーカーの品質は世界的にみても高く、昨今重要視される原料の安全性や品質性という点ではアドバンテージも。今後の巻き返しに期待がかかる。グローバルの視点では、欧米や東南アジアでの需要が引き続き旺盛で、世界市場の年平均成長率は9%の高水準で推移するとの試算もあるなど、コラーゲンペプチドはホットな素材となっている。

工業組合コラーゲン販売量2年連続減少で苦戦

日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が先月発表したコラーゲンペプチドの販売量の最新版(令和6年度)では、前年度から658トン減って5,614トンとなった。このうち「食用」用途の販売量は4,912トンで同5.9%減となった。調査は同工業組合の加盟企業を対象に実施したもので、コラーゲンペプチドの対象は7社。アフターコロナで需要が回復し、2021年22年と前年増を記録していたが一転、2年連続の減少となった。用途別では最も多いのが「食用」の4,912トン。「医薬用」は70トンで同12.5%減、「工業用」は 2トンで同6.5%減。「輸出」は620トンで同3.1%減となった。減少の要因として、業界からは「価格の安い海外品との競争が激化したことが影響しているのでは」との声が上がっている。実際、組合非加盟のサプライヤーからは「販売量が増加している」との声もあり、コラーゲン市場全体ではプラスになっているとの見方もある。「コラーゲンが主剤となるような商品での原料切り替えはなかなか難しいが、副材と
して採用されている商品での切り替えが進んでいるのではないか」と分析する企業も。特にここ数年中国メーカーによる市場への新規参入が目立っており、「中国製造のコラーゲンも以前より品質が良くなっている」との声も上がるなど、競争が激化している模様だ。

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