今年で食薬区分5年目を迎えたNMN市場は新たな局面を迎えている。原料および受託企業各社への取材では「前年比微減」「原料供給は好調」など明暗が分かれた。本紙が行った2025年の健康食品受託製造企業への調査で、人気受注素材ランキングでは昨年の1位から2位につけたものの上位にランクイン。インバウンド需要が落ち着く一方、国内ボリュームゾーンへ舵を取る傾向も見られる。臨床研究も着実に増えており、機能性表示食品は、2023年の第1号から現在は14品まで拡大。美肌訴求に加え、筋力維持、睡眠の質改善など幅広い層にアピールできる要素が整ってきた。
NMNリーディングカンパニーの事業終了
急成長が続いたNMN市場は、食薬区分5年目を迎え安定期に入ってきた。本紙が健食受託企業を対象に実施したアンケート調査(有効回答125社)では、今年上期(1〜6月)の人気受注素材で、NMNが27票となり、昨年の1位から2位に順位を落としたものの、依然人気原料となっている。こうした中、今年5月には、帝人のグループ会社であるNMNメーカーNOMONが、突然の事業終了を発表した。同社は、2019年から製品開発を行うNMNのリーディングカンパニー。近年は、アスリート向けに月数十万円のサプリメントを販売していたが、他社から低価格帯のスポーツ向けNMNが上市され、厳しい競争にさらされた。事業継承先はなく、完全撤退となる。また、 大 正 製 薬 で は 昨 年11月、『NMNtaisho』が景表法に基づき措置命令を受けたことで、一時的な販売減は避けられない。中国人富裕層をターゲットにしていた企業も、「中国経済の不況を理由に、販売は減少傾向」と話す。ただし、若返り成分としての知名度は依然高く、美容クリニックやエステサロン、MLM、宣講販、通販で売れ筋サプリであることに変わりはない。また、SNSでの過激なPRやネガティブキャンペーンにより良くも悪くも一般層へ認知が広がった。
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