
駐日ノルウェー王国大使館は10月13日、同国の海洋資源や天然素材を活用した健康食品・機能性素材の紹介セミナーを開催した。日本の健康食品関連企業などを招き、独自性の高い素材を紹介。各社は科学的エビデンスや持続可能な資源利用、トレーサビリティを強みに、健康長寿やQOL向上をテーマとした日本市場での事業展開に意欲を示した。
冒頭挨拶に立った駐日ノルウェー大使館 通商技術参事官のガウテ・アンデルセン・トステル氏は、ノルウェーと日本交流会議の趣旨を説明。「ノルウェーと日本は距離こそ遠いが、文化や食に共通点がある」と指摘し、伝統とイノベーションを結び付ける視点を提示。過去40年以上にわたるサーモン市場開拓の成功事例などに触れ、対話とコミュニケーションの重要性を呼びかけた。


オメガ11の新素材、「カラヌス」由来のワックスエステル型オメガ原料
ZOOCA社は、ノルウェー海に生息する動物プランクトン「カラヌス」由来のオイルを紹介した。40種類以上の脂肪酸を含み、オメガ3脂肪酸などがワックスエステル型で存在する点が特長。一般的な魚油やクリルオイルとは異なる脂質構造を持ち、緩やかな消化・吸収特性と代謝の健康との関連を研究しているという。今年8月に原料商社の大倉ケミテックと日本国内での独占販売に関する締結を実施。ノルウェー大使立ち合いの下、署名式を行った。


Marine Spark X社は、北極圏のウニを丸ごと乾燥・粉砕した天然ミネラル素材を披露。約25%のカルシウムに加え、マグネシウムや亜鉛など多様なミネラルを含むという。海藻を過剰に摂食するウニの採取が藻場の再生につながると説明し、海洋生態系の保全と資源活用の両立を訴求した。骨の健康維持をテーマに、サプリメントやふりかけへの応用を提案した。
北極圏のウニ由来カルシウムを提案
Marine Spark X、サプリ開発と藻場再生を両立へ
ノルウェーのMarine Spark X社は、北極圏のウニを活用した海洋性カルシウムサプリメント「AuroraUNI」を展開している。10月13日に駐日ノルウェー王国大使館で開催されたセミナーでは、ウニ由来の天然ミネラル素材を紹介。骨の健康維持や健康長寿をテーマに、日本の健康食品関連企業へ提案した。

同社はノルウェー北部のトロムソを拠点に、海洋資源を活用した製品開発を進める企業。「AuroraUNI」は北部ノルウェーで採取したウニの殻をカルシウム源とし、マグネシウム、亜鉛、カリウムなどのミネラルも含む。公式製品情報では、1カプセル当たりカルシウム250mgを配合。海洋由来の栄養補給素材として、原料供給に加え、カプセルのバルク供給や顧客ブランドでの完成品供給にも対応する。
特徴の一つが、ウニの資源化を通じた海洋環境への貢献。ノルウェー沿岸では、増加したウニによる海藻の食害が藻場の減少につながっている。同社はウニの採取と有効利用を進めることで、海藻が育つ環境の回復を支え、海洋生態系の保全と新たな栄養素材の開発を両立することを目指しているという。
品質面では、採取場所や加工日を追跡できるバッチ単位のトレーサビリティを整備。第三者検査機関によるミネラル含量や重金属などの検査も実施しているという。北極圏という産地の特徴と品質管理を強みに、海洋性カルシウムの付加価値を訴求する。

ノルウェー産サーモン由来コラーゲンを提案
SeaGarden、原料の追跡性と生産体制を強化
SeaGarden社は、ノルウェー産サーモンの皮を原料とするコラーゲンを紹介。年間1,500トンの生産規模を、噴霧乾燥能力の増強により2027年までに4,000トンへ拡大する計画を示した。原料のトレーサビリティや欧州の食品安全基準への適合、臨床研究を強みに、プレミアム素材として展開する。
同社はノルウェー南西部に拠点を置き、水産加工で生じる魚皮などを活用した海洋性原料を製造している。コラーゲンではサーモンのほか、タラ類由来の原料も展開。魚皮に含まれるコラーゲンを加水分解したペプチドとして供給し、水産資源の有効利用と高付加価値化を進めている。今回紹介したサーモン由来コラーゲンは、ノルウェーという産地と原料由来の明確さを訴求する素材。セミナーでは、原料の由来を追跡できる体制や欧州の食品安全基準への適合を説明し、一般的な淡水魚由来コラーゲンとの差別化を図る方針を示した。臨床研究による機能性の裏付けも紹介し、美容や健康維持をテーマとした製品開発への活用を提案した。


ノルウェーの水産大手Lerøy Seafood Groupは、サーモン加工時に生じる血液を活用した海洋性ヘム鉄素材「SalmoFer®」を展開している。
同素材は、サーモンの血液に含まれるヘモグロビンを利用した鉄原料。ヘモグロビンに含まれるヘム鉄を栄養素材として活用することで、従来十分に利用されてこなかった副産物の高付加価値化につなげた。同社は研究開発機関との連携を重ね、製品化を進めてきたという。
今回の発表では、非ヘム鉄との比較で約3倍の吸収性を示したとする研究結果を紹介した。また、鉄サプリメントで課題となる胃部不快感や便秘など、消化器系への負担の少なさも訴求。継続して摂取しやすい鉄補給素材としての可能性をアピールした。同社は、食事に含まれる吸収阻害因子の影響を受けにくい点も特徴に挙げている。
開発を担うのは、魚体資源の利用価値向上を目指す同社の「100% Fish」部門。自社の水産原料と加工技術を生かし、副産物を新たな市場向けの栄養素材へ転換する取り組みを進めている。「SalmoFer®」を通じ、鉄補給ニーズへの対応と持続可能な水産資源利用の両立を図る。

野生種ビルベリーとブラックカラント由来のアントシアニンを活用した「Medox」
植物由来素材では、野生種ビルベリーとブラックカラント由来のアントシアニンを活用した「Medox」を手掛けるがMedPalett ASが登場。長年の販売実績と臨床研究の蓄積を紹介し、健康維持やエイジングケア領域での可能性をアピールした。

同社はノルウェー南西部のサンネスを拠点とする研究開発型企業。「Medox」は2000年から北欧市場で展開されてきたサプリメントで、ベリーに含まれる天然のアントシアニンを精製・組み合わせている。ビルベリーとブラックカラント由来の17種類のアントシアニンを含むことが特徴で、デルフィニジン系やシアニジン系の成分を主体となっている、
研究面では、複数の独立した研究グループが同社のアントシアニンを用いた試験を実施しており、抗酸化や炎症関連指標に加え、脂質代謝、糖代謝、認知機能など幅広い領域で検討が進められている。今回の発表では、35件以上のランダム化二重盲検試験を重ねてきたと説明し、科学的根拠に基づく製品開発への活用を提案した。

また、同社はビルベリーとブラックカラントを用いた高濃度粉末抽出物「Healthberry」も展開。機能性食品や飲料向けの原料として提案しており、サプリメントで培った知見を幅広い食品分野へ応用する取り組みを進めている。ベリー由来素材の価値を、目の健康にとどまらず、健康長寿を支える栄養という視点から訴求している。
約25年の市場実績と35件以上のランダム化二重盲検試験を重ねてきたとし、健康維持やエイジングケア領域での活用を提案した。










