統合医療

【学術報告】 「マイタケ D-フラクション」、乳がん細胞に対する抗がん効果を確認

 乳がんは女性の疾患で最も多く発見されるがんで、女性の死亡要因の第2位となっている。ポルトガルとアルゼンチンの研究者グループは、マイタケ D-フラクションの乳がん細胞に対する直接的な抗がん効果について実験を行ない、その有効性についての論文を「Journal of Medicinal Food」に発表した。


 今回の試験では、ヒト乳がん細胞(MCF-7)の生存率とアポトーシス(必然的細胞死)に対するD-フラクションの有効性について検証した。5つの異なる濃度の試験群(D-フラクションを添加)と対照群を24時間培養した結果、D-フラクション処理された乳がん細胞の生存率は用量依存的に低減され、D-フラクションの濃度が高いほど、その効果は顕著になった。ゲノム解析では、22のアポトーシス促進性遺伝子の発現量が亢進したが、とりわけアポトーシス経路に関与するBAK-1遺伝子は25倍も亢進することが確認された。
 このアポトーシス誘導経路について、さらなる調査を行なったところ、ミトコンドリアからカスパーゼ活性化を誘発する中間体であるシトクロムCの放出が観察された。これにりより、マイタケD-フラクションは、ミトコンドリア機能不全に作用することも証明された。
 試験では、マッシュルーム・ウィスダム社(本社:米国NJ州)が独自製法によって標準化されたD-フラクションを使用した。同製品による前立腺がんに対するアポトーシス効果については、2000年にニューヨーク医科大学の研究チームが報告している。
 マッシュルーム・ウィスダム社製のマイタケD-フラクションは、マクロファージ、T細胞、ナチュラルキラー細胞などを活性化させるキノコ由来の免疫賦活剤として世界30か国で販売されており、日本では(株)サン・メディカ(TEL:03-5447-5221)が販売している。

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