植物プロテイン、スーパーフード、キノコ類などに脚光
米国の食品素材展「IFT2015」が先月11日~14日、イリノイ州シカゴ・マコーミックコンベンションセンターで開かれ、約1,000社が出展、2万3,000人が来場した。
同展示会は、食品や飲料素材を中心に、包装、加工機器、試験機器など、食品工業関連素材・機器・サービスなどが集う総合展示会。米国内唯一の食品素材の展示会であり、食品素材・成分を販売する企業がサンプル出展をし、それが数年後に市場に出てくるため、2 ~ 3 年先のトレンドが予測できる展示会として知られている。
会場内には、「健康食品素材」「フード」「セーフティ」「オーガニックフード」「飲料」「アジア」といったパビリオンを設置。中国からの出展が年々増加傾向にあり、アジアパビリオンはほぼ中国企業で占められ、パビリオン以外でも会場の至るところに出展していた。
IFTでは、素材の機能性紹介より、素材をどのように使うかというアプリケーション提案に重点が置かれている。今年の傾向としては、グルテンフリー、オーガニック、non-GMO、植物プロテイン、天然甘味料、スーパーフードなどの提案が目立った。
今回特に目立ったのが、植物性プロテイン。ベジタリアン向けのタンパク源として、エンドウ豆プロテインを中心に、大豆や穀類、藻類、ヘンプ(麻の実)プロテインなど様々な素材が見られた。米国では菜食に特化した「ヴィーガン」だけでなく、「フレキシタリアン」(フレックス+ ベジタリアンの造語で、時々肉食をやめて野菜中心の食事を摂る人)が増加中で、植物プロテインのニーズが高まっている。
甘味料では、ステビアや羅漢果などナチュラル系素材の提案が多く見られた。日本企業では味の素が、昨年欧州と米国で食品添加物認可を取得したアミノ酸系高甘味度甘味料『アドバンテーム』を紹介。また、新たな甘味料として『アルロース』を複数社が提案。アルロースは希少糖の一種で、日本ではプシコースとして知られている。松谷化学工業、テイト&ライル、韓国のCJがそれぞれのブランドを積極的に紹介した。
スーパーフードでは、古代穀物であるキヌアやチア、フラックスシード、ナッツ類、ヒマワリの種などが目立った。ウエイトコントロール素材では、人気が続くサイリウムのほか、肉の代替として調理できることや、β-グルカンなどの機能性が注目されているキノコ類が、今後伸長しそうな素材として脚光を浴びていた。
行政・業界ニュース
米国素材展「IFT2015」に見る2015年のトレンド
行政・業界ニュース
- 大阪府、23年度から「第4期食の安全安心推進計画」 健康食品の製造・販売施設監視も
- 都、健食試買調査を発表 不適正表示に改善指導「AGA治療」「免疫強化」等
- 機能性表示食品 6,000品を突破 届出者数1,500に迫る
- 厚労省 健康被害疑い、情報収集を強化 健食対象 「報告の要否確認シート」等作成へ
- 米ナチュラルプロダクツ展、3,000社出展 「キノコ」人気、日本のシイタケにも引き合い
- 景表法のステマ規制、10月施行
- 改正景表法案が閣議決定 課徴金増額等、違反行為への抑止力強化
- ASEANサプリハーモナイゼーション 規制一本化へ、年内署名に向け調整
- 機能性表示食品、3年度連続1,000品超 22年度、現時点で200社が新規受理
- 22年「総世帯」健食支出、2.4%減に 健食ネット通販は1.6%増