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ミネラル吸収促進でペプチド活用目指す 「機能性に対する認識、これから」

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 21日から23日にかけて中国広東省で開かれた第四回国際食品由来ペプチド学術検討会(IACFP)には、中国のみならず、日本、韓国、欧米などからも有力企業が多く参加した。その中でも、ペプチドによるミネラルの吸収促進というテーマで、東京大学および前橋工科大学と共同研究を進める、アイワフーズ(代表取締役・尾崎勝重氏)、赤穂化成(技術開発部・太井秀行氏)、そして日本食品ペプチド研究所(所長・陳少言氏)の皆さんに、商品化に向けた現状をうかがった。

 


―今回の印象は?
尾崎氏) 昨年は鳥羽で開かれたが、今回は規模もより大きく、大変ありがたい機会だと思っている。
―昨年からの進行状況は?
尾崎氏) 赤穂化成さんと一緒に研究を進めさせていただいているが、まだ具体的な形で示せるものはできあがってはいない。
―商品化に向けた現状は?
尾崎氏) まだサンプル程度。ペプチドとミネラルを合わせたものを粉末化、造粒して、一応販売を目的にはやっている。
―取り組みを始めたのはいつ?
尾崎氏) 前橋工科大学と赤穂化成さんとの共同研究は、一年少し前からだ。
―今後の進め方としては?
尾崎氏) こちらは売る方で、商品がないと意味がないので、そのあたりは赤穂化成さんにも理解していただいて、研究と商品化は並行でやろうという形になっている。
―最初の経緯はどうだったか?
尾崎氏) まず最初にこの話が合ったとき、赤穂化成さんの池上社長とお話しさせていただいたが、やはりミネラルを運ぶ役割をペプチドが担っているという部分にとても関心を持っていただいた。その時の感覚はいまでも続いていると思う。
弊社はコラーゲンペプチドを扱うことが多く、はじめはオリゴペプチドだとは予想していなかった。コラーゲンにはそれほどたくさんの機能性があるわけではない。フィッシュコラーゲンペプチドとしては同じ、というような感覚だったが、それを低分子化することで、これだけ機能性が訴求できるということで、面白い素材だと思った。
―介護食、ということで研究を進めている企業もあるが、御社の場合は?
尾崎氏) 国民栄養調査でも十分に摂取できていないミネラルがあるので、そういったものを有効に体内に取り入れられるように、ということで、年齢層は問わないつもりだ。
栄養だけでなく、機能性ということでもさらに研究が進み、商品化されていけばよいと思う。
―原料への信頼性はどうか?
陳氏) 中国食品発酵工業研究院から日本の唯一の窓口として市場を任されているという信頼関係がある。原料の信頼性ということでは、ペプチドの研究エビデンスの積み重ねで右にでるところはおそらくないと思う。
分子量に関しては世界でも一番低いレベルで、基礎研究から臨床研究までのエビデンスが豊富にそろっている。一企業としてではなく、国が一つの研究テーマとして推進することで、有利な点も多くある。
―赤穂化成として今のお話は?
太井氏) さっきの話に戻るが、こちらとしてはまだ開発の前段階だと感じている。試作は同時並行で進められるところまではやろうとしているが、まだこれからという感触だ。
一応今年中には形にしてみようという目途はあるが、研究エビデンスがあっての商品化なので、そろっていない段階では、試験販売的なものにとどまるだろうと考えている。
―エビデンスは豊富だという話だったが?
陳氏) ミネラルの吸収実験については、いままで臨床実験と動物実験が多かった。例えば、マリンオリゴペプチドを摂取して骨の密度が高くなったり、骨粗鬆症に有効であるなどの実験が多かった。
ところが赤穂化成さんの場合には、摂取後の機能性ではなく、ミネラルの吸収そのものに関するエビデンスが必要になる。その部分は今まで中国での基礎的研究が欠けていたので、その部分を補うため、今回は、東京大学、前橋工科大学、赤穂化成さんとアイワフーズさん、そして中国食品発酵工業研究院の5者が集まって、基礎研究を進めているところだ。その研究結果を待っているという現状だ。
―消費者のペプチドに対する意識はまだ低いと思うが。
太井氏) ペプチドと聞いただけで機能性を想起してもらえるかというと、まだそこまでは行っていないと思う。ただ、ほかにも研究を進めている企業の皆さんとある程度タイミングを合わせながら、知名度の向上にもつなげていきたいし、その一部を弊社が担っているとも感じている。
陳氏) 日本ではペプチドといえば、コラーゲンペプチドのイメージが強いが、我々が今取り組んでいるペプチドにはコラーゲンだけではなく、肝機能や高血圧、糖尿病、ミネラルの吸収促進、美容効果など、様々な機能性がある。日本において、これらの具体的な効果に対する認識は、実はこれからだといえる。
ペプチドにたずさわる企業が協力して、市場での認識をさらに深めていくという取り組みが始まったばかりの段階だと考えている。
―これからの方向性は?
陳氏) ペプチドには8から9の機能性がすでにはっきりしているが、初めの段階でまずそれらを整理するため、それぞれの機能性ごとに、専門性を持った一つの有力企業と提携し、進めているところだ。

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