東証プライム上場の生産設備メーカー、平田機工株式会社(熊本県熊本市、平田雄一郎社長)が、健康・ライフサイエンス分野への事業展開を本格化させている。昨年4月に開始した受託分析サービスに続き、今年2月からはCBD(カンナビジオール)含有製品の残留麻薬成分検査サービスを新たに開始する。
同社は従来、自動車関連生産設備や産業用ロボットを主力事業としてきたが、持続可能な社会の実現に貢献する新規事業として、生物遺伝資源(主に植物)を利用した研究開発に注力してきた。2024年3月には海外の植物遺伝資源を提供する開発支援サービス「ぷらんつプロ」(現・HiABS)を開始。社内には国内有数の最先端分析機器群を備えたラボを設置し、成分分析、データ解析、活性評価の体制を整えてきた。
昨年4月に開始した受託分析サービスでは、超高分解能での精密質量分析が可能なOrbitrap質量分析計を使用し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)では最大分解能24万、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)では48万という高精度で分析を行う。香気成分と溶液成分の双方に対応し、ヘッドスペースマイクロ固相抽出法など多彩な前処理にも対応することで、微量成分の検出も可能にした。開始から8カ月余りで多くの引き合いを獲得しており、同社の分析技術力の高さが市場で評価されているという。
今回発表されたCBD検査サービスは、2024年12月に施行された「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」により、製造者に義務付けられた残留麻薬成分の検査需要に対応するもの。国内の残留限度値は海外と比較して極めて低く設定されており、高精度な分析が必須となる。同社はLC-MS/MS法による精密分析により、麻薬成分であるΔ9-THC(テトラヒドロカンナビノール)およびΔ9-THCA-A(テトラヒドロカンナビノール酸)を定量し、全ての製品区分(油脂、水溶液、その他)の検査に対応。厚生労働省通知の試験方法に準拠した分析を行う。
同社担当者によれば、法定検査項目に加え、CBNなどのマイナーカンナビノイドの分析にも対応可能という。製品の品質管理や差別化を図りたい事業者のニーズにも応えられる体制を整えた。厚生労働省が公開するΔ9-THC含有量検査可能機関リストには既に掲載されており、 2月からのサービス開始に向けて準備を整えている。
CBD市場は世界規模で急拡大しており、WHOが安全性を確認したことも追い風となっている。しかし国内では検査体制の不足が事業者の大きな課題となっており、高精度な分析が可能な施設は限られているのが現状だ。製造業で培った品質管理のノウハウと最先端分析技術を健康産業に展開する同社の戦略は、異業種参入の新たなモデルケースとして注目される。同社は「研究開発、商品開発を促進し、技術や社会の発展を牽引する企業を目指す」としており、今後もサービス領域の拡大が予想される。













