毎月の連載記事

【1月号連載】技術シリーズ1 分離・精製による素材開発・製品改良

――ここでは雑誌に掲載した内容の一部を紹介いたします。

技術シリーズ1  分離・精製による素材開発・製品改良

イオン交換樹脂・合成吸着剤による機能性食品素材の高純度分離精製

三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(株)エンジニアリング事業部 分離精製部 技術G部長 橋本 泰明

はじめに
機能性表示食品制度が2015年にスタートし、現在非常に速いペースで機能性をパッケージに表示した食品が市場に出回っていることは周知の通りだ。

機能性表示食品はパッケージに健康強調表示ができるため、商品PR力が高く、供給メーカーの販売戦略上、競合他社商品との差異化ができること、届出制のためにトクホよりも手間がかからないことから、急激に増加している。ただし、機能性表示食品中の健康に対する機能性関与成分については、トクホ同様に科学的根拠をもつ必要がある。

精製されていない機能性関与成分に混在する不純物があった場合、機能性関与成分の濃度自体が薄い、もしくは他の成分が混合すると科学的根拠が得られないことがある。このため、食品から機能性食品素材を精製して機能性関与成分の濃度を上げるか、もしくは不純物の除去などする場合がある。

以下、イオン交換樹脂および合成吸着剤の基本的な性質を紹介し、「難消化デキストリンの精製」「EPA精製」「カテキン精製」「ビタミンE精製」のそれぞれがどのようにイオン交換樹脂、もしくは合成吸着剤によって精製されるかについて記述する。

1.イオン交換樹脂、および合成吸着剤とは
写真1、写真2※にイオン交換樹脂および合成吸着剤の構造を示した。イオン交換樹脂は、直径が1mmにも満たない球状の高分子ビーズであり、代表的な母体構造は図1※のようなスチレンとジビニルベンゼンを共重合させ、表1に示すイオン交換官能基を導入して樹脂の特徴を出している。

官能基の種類などにより、イオン交換樹脂の応用される分野は多岐に広がるが、使用用途の半分以上は水処理用途であり、工場などのプロセス用純水、半導体の洗浄純水、もしくはボイラー用の軟水の製造などに使用されている。他の用途としては触媒用、食品の精製・医薬品の精製、その他プロセス液の精製に使用される。合成吸着剤はイオン交換基を持たない同じく球状の10~1000Åの細孔を持った高分子ビーズで、比表面積を多くして疎水性物質の吸着量が高くなるよう設計されている。合成吸着剤は主に医薬品、化粧品精製に使われ、食品用途にも多く使用されている。

―以下、続きは月刊『食品と開発』1月号にてご覧ください。

※写真1、写真2、表1:食品と開発1月号に掲載。この場では割愛しております。

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