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ZOOM UP 【パワーベジタブル】「個食化」「高齢化」で国産野菜パウダーの活用広がる

食生活を見直す場面で必ず登場する野菜。国内では1日350gの摂取が推奨されているが、厚労省によると、全世代で「野菜不足」であることが明らかになっている。生鮮で補えない野菜成分を、サプリメント、青汁、スムージー、健康志向の製菓などで手軽に摂取するニーズは健在。日本の食文化を代表する野菜加工品の漬物では、乳酸菌を活用した発酵工程の進化で、腸内フローラへの新たな可能性も示唆され、「マイぬか床」など新たなブームも。生鮮品の機能性表示食品も増え、野菜の機能性アピールに関して、一部スーパーの生鮮コーナーで新たな試みも見られる。

■野菜摂取不足の改善に動き

厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、全世代でカルシウム、ビタミンC、食物繊維不足が報告されている。厚労省が1 日当たり350gの摂取量を推奨する野菜には、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラルや、ビタミンB1 / B2 / C、食物繊維、ポリフェノールなど、健康維持や調整に必須な栄養成分が豊富に含まれている。

ビタミンC、カルシウム、食物繊維の豊富な野菜は、パセリ、モロヘイヤなどがあり、シソやホウレンソウ、ブロッコリー、ピーマン、枝豆など、主に緑色の野菜に多く含まれる。野菜摂取と疾病の関連は深く、厚生労働省研究班の多目的コホート研究では、野菜・果物の摂取により、食道がんリスクが低下することを示唆している。

日本ヘルスケア協会「野菜で健康増進部会」では、野菜の色が持つフィトケミカルに着目し、7 色にカテゴリー分けした新たな販売方法を提唱。「生鮮の機能性表示食品も登場したが、野菜の大半は中身の分かる表示がない」とし、単独で摂るのではなく、7 色全てを組み合わせて食をデザインする重要性を強調。

実際に導入した店舗では、売上が1.5倍となるケースもあるという。また、野菜の抗酸化力を数値化し、同じ野菜でも産地や時期、農法、生産者などの基準で比較できることから、今後、生鮮の機能性表示食品とともに、野菜の機能性を消費者に可視化する新たな販売方法を、スーパーやドラッグストアへ提案していく。

■野菜の良さを引き出す漬物に認定制度登場

料理の簡便化、調理時間の短縮などを求める共働き世帯や単身層にとって、加工品を用いて野菜不足を解消したいと考えるニーズは健在。野菜の価値を高めた加工食品としては、日本の食文化を代表する漬物がある。漬物のリーディングカンパニーである東海漬物では、漬物由来乳酸菌から見出したQ -1 乳酸菌の機能性研究で、新たに腸内バランス調整菌の増加を確認。個食化の傾向も踏まえ、ミニパックタイプの新製品として3 月に上市予定。また、漬物の良さを広める活動として、愛知県内を中心に『ぬか漬教室』を展開。

「近年“発酵”に注目が集まっていることもあり、自身で発酵をコントロールできるぬか床も人気。主婦だけでなく、男性でも“マイぬか床”をはじめる方が増えている」という。このほか、発酵漬物認定制度(全日本漬物協同組合連合会)の委員会にも参画するなど、健康に寄与する漬物作りで業界をリード。「全ての漬物が発酵しているわけではなく、発酵の有無は商品を見ただけでは区別がつかない。

商品の認定マークが本当に発酵した商品を選びたいお客様にとって、分かりやすい目印になれば」(漬物機能研究所所長・吉澤一幸氏)という。同制度は昨年5 月に制定され、8 月より認定申請の受付を開始しており、今後、認定マークの付いた商品が販売される予定だ。

本記事の続きは「健康産業新聞1683号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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