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特集【健食受託加工・製造】6割強が増収達成も、停滞感漂う

本紙編集部は、健康食品の受託加工・製造企業120社(有効回答76社)を対象とした調査を実施。売上高の増減は65%が前年を上回ったが、前回調査から12ポイント減少した。今年下期の経営状況について「良好」と回答したのは40%に留まった。消費増税による影響は少なかったものの、原料の高騰や、物流費、資材費、人件費の上昇のほか、今年から施行された中国EC法によって爆買いが減速。健食業界も打撃を受けた。人材不足も深刻で、各社、工場ラインの自動化、外国人の雇用、託児所の併設などのほか、正社員の雇用を積極的に行っている企業も目立った。一方、6割が海外向けにOEM供給を展開。国内市場の先行きに不透明感が漂う中、海外に活路を見出す企業が増えている。

■増収65%、減収21%経営状態、「良好」は前回より減少

アンケートでは企業の売上高や増減率、経営状況、市場の景況感、設備投資の現状、品質・安全および製造管理規格の導入状況、人気受注素材、輸出製品のOEMやインバウンドの状況、機能性表示食品制度への対応状況、来年の見通しなどについてについて聞いた。

調査対象の企業売上高は30億円未満が79%、30億~50億円未満5 %、50~100億円未満が12%、100億円以上が4 %。売上高の増減は65%が前年を上回ったが、前年調査より12ポイント減った。1 ケタの伸びを示した企業は前年調査と同じ52%。2ケタ増を達成した企業は14%で11ポイント減った。売上高が下回った企業も8 ポイント増え21%となり、全体的に停滞感が漂った。

今年下期の経営状態に関する質問では、「良かった」が40%で、前回調査から14ポイント減少に。「どちらともいえない」が1 番多く半数の51%で、「悪かった」が8 %だった。「良かった」企業では、「既存の案件、通販関係が非常に好調だった」「上期は冷夏であったが、既存のパウチゼリー品の売上は想定より高かった」「生産性を上げて利益率を高める努力が結実した」などのほか、海外向け製品のOEM案件が増えたことを挙げる回答が寄せられた。

■海外向けOEMは好調維持インバウンド減速、健食も打撃

海外展開については、60%が「輸出を行っている(海外向けにOEM供給を行っている)」と回答。中国、台湾、韓国のほか、シンガポール、ベトナム、インドネシアなど東南アジアを挙げる回答が目立った。「輸出が伸びている」という回答は50%で、海外における“メイド・イン・ジャパン”のニーズの高さがうかがえた。

一方、インバウンド状況を聞くと、「増えている」が5 %で、前年調査の31%から大幅に減った。今年は中国EC法が施行され、外国で購入した商品を転売するソーシャルバイヤー(代理購入者)の活動を規制することなどが盛り込まれ、爆買いにブレーキが掛かった。健食業界も爆買いの対象品が多かったため、その影響が如実に現れる結果となった。

来年上期の見通しについては、46%が「どちらともいえない」と回答。「内需の見通しが不安」「消費増税等の影響による、消費マインドの低下」「国内市場の飽和を感じている」「海外の情勢にも左右されるため予測がしにくい」などを不安要素として挙げている。

 

本記事の続きは「健康産業新聞1682号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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