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特集【高麗人参】 エ ビ デ ン ス 充 実 、女 性 向 け 商 品 の 開 発 進 む

高麗人参は、中高年男性を中心とした滋養強壮・疲労回復マーケットで定着、市場規模は250億円を堅持している。元祖・健康食品として長い歴史を持ち、「高麗人参=滋養強壮」のイメージが強い素材ではあるが、サプライヤー各社がイメージに依存せず、血流改善作用を介した美容・冷え対策機能や睡眠の質向上、スポーツニュートリション、免役対策などに関するエビデンスを蓄積したことが奏功。新たな市場創出に期待がかかっている。とりわけ、昨年末に永谷園が投入した「くらしの和漢高麗人参茶ルイボスブレンド」が代表するように、女性層をターゲットとした商品開発が活発だ

■市場規模250億円を堅持

高麗人参市場はドリンク、錠剤、エキス、カプセル、茶製品が牽引。「滋養強壮・疲労回復」訴求の代表素材として、市場規模は250億円を堅持している。多種多様な健康食品が流通する市場環境の中、通販企業が定番サプリの1 つとしてラインアップするほか、ドラッグストアがPB商品化するなど、健康食品としての「高い認知度」「流通実績」を武器に、底固い市場を形成している。

300億円市場に向けては、「女性層開拓」「ドリンク製品の開発」がキーになる。前者については、ていねい通販の「高麗美人」、日本製粉の「正官庄シリーズ」、佐藤製薬「美健知箋」、協和の「高麗人参つぶ5000」などが代表的。近年、コラーゲン、セラミド、プラセンタ商品に副素材として採用されるケースも目立つ。昨年末には、“元気な人は美しい”をテーマに、永谷園が「くらしの和漢 高麗人参茶ルイボスブレンド」を投入するなど、女性層をターゲットとした商品開発は依然として活発だ。

「大手化粧品メーカーがリニューアルする美容ドリンクでの新規作用が決まっている」とする原料サプライヤーもある。後者については、「リアルゴールド」「モンスターエナジー」「タフマンV」「激強打破」「チョコラBB Joma」など、大手各社のエナジードリンクに軒並み採用されている。

一方で、血流改善を介した安眠・睡眠の質向上、疲労回復を訴求ポイントに、“カフェインレス”を切り口にした高麗人参ドリンクも登場している。ドリンクでの採用が相次ぐ背景には、滋養強壮素材としての認知度の高さもあるが、原料サプライヤー各社のエビデンスの蓄積と、呈味性の高い高麗人参原料の開発があるようだ。

■広がる原料バリエーションジンセンベリー、アンチエイジング訴求で

原料市況をみると、サプリメント原料は紅参の粉末品・エキス品が主流に。近年、「発酵」「酵素分解」「熟成」「熟成」「低温真空乾燥」「国産」など、高付加価値原料の提案が目立つ。コンパウンドK(サポニンの代謝物)をはじめ、有効成分を高含有化するほか、発酵・酵素分解を施すことで吸収性を高めた原料の開発が進んでいる。

さらに、サポニンの種類が根茎とは異なる「ジンセンベリー(オタネニンジン果実)」も登場しており、高麗人参の原料バリエーションが急速に広がっている。 国産品の原料供給に名乗りを上げたのは、農業生産法人・水杜の郷。同社では、茨城県つくば市の耕作放棄地を利用した太陽光発電と営農(高麗人参、ドクダミなど)の共存事業に着手。高麗人参については、今春からの本格的な原料供給に乗り出す計画だ。同社以外にも、「地域振興・再生」を旗印に、他府県において国産品の栽培テストが行われている。

本記事の続きは「健康産業新聞1686号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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