健康産業オンライン

特集【特集 ローヤルゼリー】肌保湿で初の機能性表示食品が受理

ローヤルゼリー(RJ)は、健康食品の定番素材として、脳機能改善、免疫賦活、骨・関節サポート、肌保湿など多彩なエビデンスが構築される素材だ。現在、RJをメインとした末端製品の市場規模は300億円弱と、最盛期に比べて一服感が否めないものの、認知度の高さは健在。エナジー系飲料のサブ素材として安定的に利用されている。またRJ初の機能性表示食品の受理や、北大による新たな特許取得など新たな動きもあり、市場の追い風となることが期待される。一方で、原料の大半を中国産が占めるRJにとって、新型コロナウイルスの影響は小さくなく、輸入への悪影響が懸念されている。

■乾燥品が増加、新型コロナの影響懸念

2019年12月期の輸入通関によると、2019年累計のRJ輸入量は約261t(前年比36%減)。国内に流通するRJの9 割以上を占める中国産RJは、247t(前年比38%減)となり、前年を大幅に下回った。通関統計は、生RJと乾燥品が混在した数値であり、「中国国内での生産量に減少は見られない」(原料商社)との声もあることから、重量の大きい生RJの輸入量が減少し、乾燥品の割合が増加したものとみられる。

また最近、巷を騒がせている新型コロナウイルスは、発生元が中国であり、中国産RJの輸入への悪影響が心配されている。「中国での養蜂品生産は移動養蜂から定置養蜂に切り替わるため大きく生産量が減ることはない」(老舗生産メーカー)との声もあり、中国国内での生産量に大幅な減少はないとみられるが、各国政府による渡航者への入国、入域への規制の動きもあり物流そのものが滞る可能性も。「ウイルスの終息の目途が立たず、取扱量の減少は避けられない」(原料商社)という声も聞かれ、今後の情勢の推移に注目が集まっている。

■スポーツ分野での利用が拡大

全国RJ公取協によると2019年度の証紙(公正マーク)の使用枚数は約107万(前年度比8 %減)、総会員数は9 人減少し201人となった。証紙の使用枚数、輸入量の推移から推計するRJをメインとする末端製品の市場規模は、300億円弱と昨年からやや減少傾向にある。

一方で、消費者のRJに対する「エネルギッシュなイメージ」は健在で、サブ素材としてはエナジー系飲料、医薬部外品、加工食品などへの配合が堅調。市場を下支えしている。RJの主要な原料サプライヤーは、アピ、森川健康堂、クインビーガーデン、ジャパンローヤルゼリー、サンライフなど。訴求面ではスポーツ分野での展開が広がっており、アンチドーピング認証の取得や、活力系のエビデンスを構築し、アスリートへのアプローチを活発化させている。

森川健康堂は、英LGCのアンチドーピング認証インフォームドチョイスを取得した、『SPORTS RoyalJelly®』を展開。天然物であるRJに、ドーピング禁止物質が含まれていないことを実証し、スポーツ飲料への供給を広げている。ジャパンローヤルゼリーは独自素材『RJEたんぱく質』の供給に注力。同品はアミノ酸スコア100、BCAA、アスパラギン酸などを豊富に含み、スポーツ分野での原料、OEM提案を活発化させている。

■脳関連で新たな特許査定

RJに関する新たな機能性データの構築も進んでいる。3 月3 日に開催された全国RJ公取協の定時総会では、北海道大学への委託研究により脳関連の特許査定が得られたことが報告された。同大研究チームは、RJ摂取がニューロン新生の低下及び学習と記憶の機能低下をもたらすCL11の血中濃度を低減させることを確認。アレルギーの抑制、学習、記憶、認知機能の維持、改善といった分野でRJの利用拡大が期待される。

本記事の続きは「健康産業新聞1688号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

■「受託製造企業ガイドブック2017年版」 好評販売中■

受託製造企業ガイドブック2017健康産業新聞a
2012年版を全面改定し、「機能性表示食品への対応」を追加。各社の概要、特色、業況、連絡先がこの一冊に。健康食品・化粧品の製造、各種試験・分析依頼、原料調達などに、ぜひ本書をご活用ください。⇒詳しくはこちら!

行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP