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【トップランナーに聞く③】「プロの声を製品に反映することが、 ヒット商品量産のカギ」㈱トラストレックス 西村純一社長

温熱機器や口腔マッサージャー、超音波美顔器、水素商材――など、健康・美容機器の総合メーカーとして知られる㈱トラストレックス( 大阪府吹田市)。実は、マイナスイオンの簡易測定器を日本で初めて商品化、業界団体の設立や空気イオンのJIS 規格化に尽力するなど、マイナスイオン分野のリーディング企業だ。携帯用超小型マイナスイオン発生器『ionion(イオニオン)』は、2001年の発売以来、5 度のモデルチェンジを経て、国内外で累計70万個以上を販売するロングセラー商品に。健康・美容機器分野でヒット商品を生み出し続ける同社の西村純一社長に、売れる商品のアイデアのヒント、今後の事業戦略について聞いた。

―― マイナスイオン分野での功績は

1998年からマイナスイオン研究を開始し、翌年に日本初のマイナスイオン簡易測定器『EB-11』を開発。2000年の「健康博覧会」で出品したところ、大反響を頂いた。

当時はマイナスイオンがブームになりつつある一方で、マイナスイオンが全く出ていない商品も多く出回るなど市場は玉石混交の時代。測定の統一化の必要性を感じ、2001年に空気イオン研究の専門家である元東京理科大学教授の故・中江茂氏に面会、協会設立の趣旨を伝え、会長となって頂く了解を得て、2002年に「日本機能性イオン協会」を設立した。同協会では2006年11月に「空気イオン密度測定方法」のJIS規格化も制定した。

―― 『ionion』シリーズの売行きは

現在もマイナスイオン関連商品の製造販売・OEM供給を展開しているが、なかでもロングセラー商品として今でも人気なのが携帯用超小型マイナスイオン発生器『ionion』シリーズだ。

今年6月には5回目のモデルチェンジ版『ionionプレミアム』を上市した。首から吊り下げて身に着けることで、イオンが皮膚から体内に吸収され、体内のイオンバランスを整えるというアイテム。なかでも最大のメリットは、マイナスイオンの働きで自律神経を副交感優位にすることで、免疫の過剰反応により起こるアレルギーやアトピーなどの症状緩和に期待できる点だ。実際、ユーザーから喜びの声を数多く頂いている。

現在は国内のみならず、中国や台湾、インドネシア、ベトナムなどのアジア諸国、ブラジルやペールなどの南米、一部欧州にも輸出。累計販売数は70万個を超えている。

―― 商品開発時のアイデアのヒントは

当社のロングセラー商品の1つである温熱機器は、私がマクロビオティックに傾倒していた時期に、身体を温めることの重要性を学び、健康の基本として開発に着手した。「~ながら」できるアイテムが良いだろうと、寝ている間に自然と身体を温めることができる温熱マットの構想が浮かび、質の高い睡眠を実現するために、副交感神経を優位にさせる温水を熱源に用いることにした。

このように、直感的に商品開発を行うケースもあるが、個人的には慎重な性格なので、開発した製品が市場ニーズに合わないといったリスクは回避するようにしている。そこで事前に半製品の状態で展示会等に出品し、来場者から意見を貰って改良を加えることで、市場性の高い商品開発に繋がっているのだと思う。

例えば「こんな商品が開発できないか?」といった要望を数多く頂く場合、それは市場ニーズに合った商品ということになる。展示会は新規取引先の開拓という目的に加え、市場のトレンドを把握する、プロの意見を聞けるなど、マーケティングの場として最適だと考えている。温熱機器も取引先の要望を受けて、今では背中と仙骨を温める商品、足温器など、商品バラエティが拡大している。

―― 今後の展開について

新製品の口腔マッサージャー『サリオーラ』シリーズの拡販を進めていく。同品は、近赤外線とシューマン共振超音波を発する先端部分を、歯茎や口腔粘膜、歯間乳頭、歯の根尖部などに当てて使用する。臨床試験では、10分間の使用で、使用前と比較して唾液分泌量が最大15倍増加することを確認している。

先日、研究をお願いしている神奈川歯科大学の槻木教授のコメントなど、口腔ケアの重要性を学習できる29分間のテレビ番組の製作を終えた。11月から地上波、BS、CS等で順次放映してサリオーラの拡販を進める。

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