世界的な高齢化を背景に、治療や未病領域において、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」を活用する動きが広まっている。約6,600種類ものハーブを活用する壮大な理論体系は、運動や瞑想などライフスタイルに合わせたオーダーメイドの健康管理に様々な方策を提供している。安全、安価、効果的な医療としてWHOも推奨しており、西洋医学や近代科学との融合により、原料や製品のエビデンス構築も進んでいる。
高齢社会に生かせる 植物利用体系
アーユルヴェーダの理論を活用した治療・未病領域での活用が世界的に進んでいる。アーユルヴェーダは、紀元前 5〜 6世紀に体系化され、現代に続く世界最古の医学体系であると同時に予防医学体系として認知される(囲み参照)。よく比較されるインドとスリランカのアーユルヴェーダの違いは、インドから発祥し、ブッダの弟子によりスリランカに伝わった際、スリランカの伝統医療である“ヘラウェダカマ”と組み合わさったとされている。インドでは、ヒマラヤ地方や海岸地域、砂漠、熱帯雨林の生態系において、6,600種類のハーブが確認されており、日本では研究途上にある未知の有力ハーブも多数潜在している。基本的な思想として、「薬のように食事を捉える」「植物を丸ごと使用する」などがあり、個々のライフスタイルや環境に応じて、ハーブを単味や組み合わせることで、健康管理から未病対策、治療に至るまでさまざまな活用実績が発展してきた。
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