食品素材の記事

タイトジャンクション構造を整え、腸管バリア機能を保護する乳酸菌

dsm-firmenichは、腸漏れ(リーキーガット症候群)の原因となるタイトジャンクションの破壊や炎症を抑え、腸内細菌叢の乱れを改善する殺菌乳酸菌製剤「Humiome®(ヒュミオーム)Post LB」の販売を開始した。Limosilactobacillus fermentumLactobacillus delbrueckii subsp.lactisを配合し、1gあたり600億個以上を規格化した流動性の高いパウダー状の製品で、プロバイオティクス・プレバイオティクス科学協会(ISAPP)からポストバイオティクス(※)として認められている。

リーキーガット症候群とは、食事やストレス、腸内細菌叢の乱れ等により上皮細胞同士を繋ぐタイトジャンクションが破壊されることで、腸の粘膜バリア機能が低下して隙間ができ、本来は通過しないはずの物質(細菌、毒素、未消化の食物分子など)が血流に入りやすくなる状態を指す。これにより、免疫系が過剰に反応し、アレルギー症状など全身にさまざまな症状をもたらす原因の1つとされている。

Humiome®Post LBの製造に使用される細菌株は、他のラクトバチルス株と比較して分化した腸上皮細胞に直接付着する強力な能力を持っており、①タイトジャンクション構造に重要な役割を果たすタンパク質(ZO-1,3,9)を強化し腸管バリア機能を維持②病原体が腸粘膜に付着するのを防ぎ、腸内細菌叢を保護③ビフィズス菌や腸の免疫を活性化するIL-17f1(サイトカイン)の増加(図1)、これら3つの働きにより腸の健康と免疫力をサポートする。

図1 サイトカインの増加

世界各国45報以上のエビデンスを有し、ヒト試験では慢性の下痢症状や過敏性腸症候群(IBS)症状の改善を示す結果(図2)や子供の急性消化器系の不調を落ち着かせたとする研究データを有する。直近では軟便および排便不順を有する日本人を対象にしたRCT試験が実施されており、プラセボ群と比較してHumiome摂取群の排便頻度は有意に減少し、摂取後には排便習慣、消化器症状、腸内細菌叢に改善傾向がみられた、との結果を得ている。

同社では、腸内壁バリアを強化し、腸内細菌叢のバランスを整えるポストバイオティクス素材として幅広く提案していく意向。腸管バリア機能の要となる、タイトジャンクション構造を維持する重要性を促し、海外での採用事例をもとに顧客の商品開発をサポートしていく。

※ポストバイオティクス:腸内細菌が生み出す代謝物のうち、人にとって有益な働きをする腸内細菌代謝物の総称

図2 生菌と比較した摂取4週目の下痢関連臨床症状の改善率

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