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神奈川歯科大学、ポリデキストロースの新機能を発見―腸内発酵により唾液中IgAレベルが上昇

神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔科学講座 環境病理学 槻木恵一教授、神奈川歯科大学短期大学部 歯科衛生学科 山本裕子講師らの研究グループは、ポリデキストロースがラットの唾液中Immunoglobulin A(IgA)レベルを上昇させることを発見。さらに解析の結果、唾液中IgAレベル上昇には、ポリデキストロース摂取により盲腸で産生が増加した短鎖脂肪酸が、腸内環境が改善した盲腸から速やかに吸収されたことが影響していると判明した。本研究成果は本年6月11日に「Nutrients」に掲載された。

■論文
英文タイトル:Faster Short-Chain Fatty Acid Absorption From the Cecum Following Polydextrose Ingestion Increases the Salivary Immunoglobulin A Flow Rate in Rats.
タイトル和訳:ポリデキストロース摂取による盲腸からの短鎖脂肪酸の速い吸収がラット唾液中IgA分泌速度を上昇させる

■研究内容
ラットを用いた実験により、盲腸から吸収された短鎖脂肪酸が唾液中IgA分泌速度に与える影響を解析。ポリデキストロースは、摂取することで盲腸での短鎖脂肪酸産生は上昇するが、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸濃度が低下することが報告されている。このポリデキストロースをラットに継続摂取させ、唾液中IgA分泌速度、盲腸内容物中短鎖脂肪酸濃度、盲腸から吸収された短鎖脂肪酸の指標となる門脈血中短鎖脂肪酸濃度を測定した。

4週後、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸濃度は低下、門脈血中短鎖脂肪酸濃度は上昇し、唾液中IgA分泌速度は上昇した。解析により、唾液中IgA分泌速度には盲腸内容物中の短鎖脂肪酸総量と門脈血中短鎖脂肪酸濃度、盲腸内容物水分量が影響を与えていることが明らかになった。

ポリデキストロース摂取により盲腸で産生が上昇した短鎖脂肪酸が、腸内発酵に伴う内容物水分増加による拡散の上昇で盲腸から速い速度で吸収され、門脈血中短鎖脂肪酸濃度が上昇し、その結果唾液中IgA分泌速度が上昇した可能性が明らかになった。

■今後の展開
本研究により、大腸における短鎖脂肪酸産生上昇と大腸から速やかに血液中に吸収された短鎖脂肪酸が、唾液中IgAレベル上昇に影響していることが判明し、同研究グループが発見した「腸-唾液腺相関」のメカニズム解明に一歩近づいた。

また、血中コレステロール減少作用や腸内環境改善効果が知られているポリデキストロースに、「唾液中IgAレベル上昇」という新しい機能があることも判明した。今後は、ポリデキストロース摂取がヒトの唾液中IgAレベルや上気道感染症予防に与える効果を検討していく予定。唾液中IgAは上気道感染症予防に重要な役割を果たしており、食品摂取でIgAレベルを上昇させることができれば易感染性である高齢者の肺炎予防に効果的と考えられている。

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