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フードロス削減と美味しさの両立で導入の裾野拡大~液体式急速冷凍機「凍眠」

テクニカンは、約-30℃のエチルアルコールを媒体にした液体凍結の研究を40年ほど前より開始。長年にわたる現場経験の積み重ねにより開発したのがリキッドフリーザー「凍眠」で、国内はもとより欧米、アジア等、世界各国で特許を取得している。

凍眠は冷たい液体の中に浸漬させる方式のため、一般的な冷気にさらすエアブラスト方式と比較して凍結スピードが早く、氷結晶が膨張せず細胞破壊を起こさずに凍結できる。一般的な冷凍庫では氷の結晶が約100ミクロンに対し凍結速度が凍眠では5ミクロン程度。そのため肉や魚などは、解凍時にドリップがほとんど出ず生食品と比べて遜色のない味をキープできるのが特長だ。凍結ニーズに合わせて既存機械をベースにしたカスタマイズはもちろん、一から設計をしたフルオーダーでの対応も可能で、食肉、ハムソー業界、水産、外食産業に至るまで3,500件以上の納入実績を持っている。

最近では、規格外品として出荷できない果実のフードロス削減とブランド価値向上にも貢献している。上品な甘さ香りで知られる高級メロンのアクアメロンは、気候に左右されることも多く「味は一級品だが形が大きすぎる」「マスク部分に一部変色がある」という理由で規格外になる。千葉県のとある自治体では、2018年ごろから農産物の規格外やB級品の加工販売を開始したが、さらなる品質向上を図るべく2024年に凍眠をテスト導入。包丁の入れた際の滑らかな刃通りに、これまでの冷凍品とは全く違う鮮度の高さを実感し、昨年10月頃から本格的に冷凍メロンの販売を開始。現在は1日約200個を製造するまでに至っている。

同社は6月開催のFOOMA JAPANにて、凍眠で凍結させた食品や日本酒などを来場者に体感してもらい好評を博していた(写真)。

テクニカンFOOMAブース風景

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