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【インタビュー】ISOCELL NUTRA S.A.S、社長兼CEOフランソワ・ヴィックス氏

㈱ニュートリション・アクト(東京都中央区、☎03-3538-5811)の供給する抗酸化酵素誘導素材『メロングリソディン®』が好調だ。インナービューティー素材として通販、エステ、クリニックなどで採用が広がり、米国やフランスを凌ぐ規模で流通。メーカーであるフランスのISOCELL NUTRA S.A.S社長兼CEOのフランソワ・ヴィックス氏に話を聞いた。

――開発背景について

『メロングリソディン』は、南仏アヴィニョン地方で栽培される特殊なメロンから抽出した抗酸化酵素(SOD)を、小麦グリアディンでコーティングした機能性原料。メロンは現地農家が日持ちするメロンを作りたいという思いから自然交配で日持ちする特殊なメロンの開発をした。このメロンは残念ながら食用には適さなかったが、通常のメロンに比べて強いSOD活性が認められた。

一方、注射剤として牛由来のSODを使用していたフランスやドイツの医療分野では、1990年代初頭に狂牛病の問題が発生したことで、代替SODとして植物起源の研究が盛んに行われ、経口摂取での可能性も平行して検討された。様々な物質が検討される中で、特殊なメロンと小麦グリアジンを組み合わせて経口摂取することにより生体のSOD活性が顕著に上がることを確認した。

小麦グリアジンは、メロンのSODを胃酸の消化から保護し、なおかつ、腸管の免疫細胞にメロンSODを取りこむ作用を促す機能を持つ。これにより、南フランス産のメロンと小麦グリアジンを結合した抗酸化誘導素材『メロングリソディン®』が誕生した。

――グローバルで見た日本市場について

『メロングリソディン®』は、世界30カ国以上で採用実績があり、皮膚科や内科、歯科などの医療分野や美容クリニック、エステなどで体感性の高いインナービューティー素材として採用されるケースが多い。メロングリソディンの供給規模は、アジアが60%以上を占め、中でも日本市場は、韓国やインドネシア、中国はもちろん、フランスや米国をも凌ぐ最も大きなマーケットであり、特に重要視している。

理由は3つあり、1つ目は、日本人消費者は免疫や予防に対する関心が高く、弊社の原料の良さを理解してくれる点。日本市場への参入は弊社にとって一番長い歴史を持つという点も大きい。
2つ目は、ニュートリションアクトを含む日本のビジネスパートナーはエビデンスの確立や研究調査を実施しており、商品を販売する上での環境が整備されている点がある。
3つ目は、1つ目とも重複するが日本の消費者の要求レベルが高いという点。日本人消費者は、ナチュラルでエビデンスがあり、長期的に利用できる製品を好む。

一方、米国や中国市場の大きさは理解しているが、日本消費者のような製品への理解やこだわりが薄く、どちらかというと中国の消費者は、長期的な使用に基づく効果よりも即効性を求め、アメリカの消費者は、質よりも価格などに消費行動が左右される傾向がみられる。

――エビデンスについて

肌の病気は免疫が起因していることから、免疫や予防が特に重要だと認識している。また、糖尿病やメタボなど生活習慣病予防や改善への機能性もアピールできると考えている。『メロングリソディン®』は、主に生体内のSODなど3つの抗酸化酵素を誘導し、抗酸化能を高める作用を特長とし、「DNA保護作用」「紫外線に対する保護作用」など豊富なエビデンスを持つ。

紫外線による皮膚の紅斑を抑制する「飲む日焼け止め効果」や、シミ抑制などの「美白効果」、「肝斑(かんぱん)改善効果」など、より広範囲で優れた美白作用を裏付ける機能性研究は継続的に力を入れている。
さらに、「小児喘息の症状軽減効果」や「不妊改善効果」なども確認済みのほか、日本国内では、マウスでの「インフルエンザ防御効果」を確認している。

――今後の見通しについて

日本の消費者は、安全性や品質、エビデンスなどハイクオリティな素材を要求するだけでなく、医薬品のような即効性でなく、食品用途として一定期間摂取する我慢強さもある。
安全性や機能性の研究等を追求する上で、最も重要な市場としてさらなる成長を期待している。

 

ISOCELL NUTRA S.A.S、社長兼CEOフランソワ・ヴィックス氏

 

 

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