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ZOOM UP【ロジスティクスサポート】

通販市場の拡大に合わせて宅配物の取扱個数は年々増加している。2018年の宅配個数は43億個となり、5年前と比べて約7億個の増加となった。健康食品や化粧品は無店舗チャネルも多く、商品を安全かつスピーディーにエンドユーザーまで届ける物流サービスの役割は大きい。一方、近年では大手宅配業者による送料値上げの問題が深刻化している。通販配送費をコストカットするため、物流業務のアウトソーシングや、倉庫のシェアリングサービスに注目が集まっている。

■通販物流配送費増加売上高の1割超に

通信販売にかかる配送コストが増大している。配送コスト増加の原因は、ドライバー不足や、消費税増税、再配達率・返品率の悪化などが挙げられる。とくにここ数年は再配達率が深刻化し、物流関係者からは「まだ再配達率の問題を認識していない事業者もいる」との声も。再配達率の把握と改善は通販事業者にとっても大きな課題となっている。

日本通信販売協会「第37回通信販売企業実態調査報告書」(2019年10月発表)では、通販売上高に占める「物流配送費」が売上高の約1 割を占める10.3%という結果に。日本ロジスティクスシステム協会が実施した「2019年度物流コスト調査結果(速報値)」(2019年12月発表)では、93.1%の企業が運送会社からの値上げ要請を受けたこともわかった。値上げ要請に関する調査結果は、2017年(71.6%)、2018年(87.9%)と年々増加しており、同協会では「引き続き荷主が物流事業者からの値上げ要請を受ける状況に変わりはないと考えられる」としている。

■アウトソーシングでコストダウン

通販企業では、物流工程をアウトソーシングすることで、業務の効率化や配送費のコストカットを図る動きも出ている。アウトソーシングのサービスは、商品の受注から決済までの業務全般を委託する「フルフィルメントサービス」や、物流機能の一部もしくは全体を第三企業に包括的に委託する「3 PL(サード・パーティー・ロジスティクス)」などが主流となりつつある。

近年では複数の事業者で倉庫管理や物流などのサービスをシェアリングし、コストカットを提案するサービスも増加。シェアリング型のサービスは、配送費のコストダウンをはじめ、倉庫を借りる際の初期投資コストの削減や、月々の固定費の削減など、様々なコストを抑えることが可能だ。またサービスの多くが従量課金制のため、商品の受注状況や季節、トレンドに応じて発送コストを最適化できる点も評価されている。

健康食品・化粧品分野ではスタートアップ企業や事業拡大を目指す小規模事業者の利用が多い。ロジスティクスサービスを提供する企業では、シェアリングサービスの提案に加え、新拠点の開設も活発だ。1坪から物流をアウトソーシングできるネットショップ専用物流サービス『NetDepot』を提案する東京ロジファクトリーでは、昨年8 月に都内で新拠点を開設。EC市場の拡大に合わせて事業規模は成長を続けており、これまでに健康食品・化粧品事業者を含む400社以上の実績を有している。この他、SGホールディングスや日立物流などの大手企業でも新拠点の開設やシェアリングサービスの提案が進んでいる。

本記事の続きは「健康産業新聞1687号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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