統合医療

アーユルヴェーダを近代化、“融合医療”の柱に

 アーユルヴェーダ医療融合協会(事務局:東京都千代田区、電話03-3239-6611)は先月29日、「ヘルスケアとアーユルヴェーダ」と題したセミナーを開催し、医療従事者やアーユルヴェーダ、ヨーガ関係者など約100人の参加者を集めた。


 理事長を務める廣瀬輝夫氏(元ニューヨーク医科大学教授)は「代替医療や相補医療という呼び方が一般的だが、本来、東洋医学と西洋医学は同等であるべき」と指摘。また「“統合医療”は玉石混合となり、良い療法もそうではない療法も全て含まれてしまう。優れた療法だけを融合する“融合医療”が、いま求められている」との考え方を示した。その上で、アーユルヴェーダが果たす役割について言及。「3500年以上の歴史を持つアーユルヴェーダには、優れた治療法やハーブが多いが、考え方に大きな進歩がないのも事実。アーユルヴェーダを日本の環境に合った形に近代化することが当協会の目的」とした。
 セミナーには、アーユルヴェーダの最前線で活躍する有識者が登壇。アーユルヴェーダ研究所理事でアーユルヴェーダ医師・カウンセラーの安藤るみ子氏は、消化と代謝で毒素を出すオイルを使った浄化療法など、インドで伝統的に利用されている療法を具体的に紹介。「人間の肉体、五感、精神、魂を奇麗していくことで、精神的な問題でも肉体的アプローチである程度、健康に持っていこうというのがアーユルヴェーダ的方法である」とし、健康と美容の両面からもアーユルヴェーダ療法が万能であることを強調した。
 日本人にあった「和ゆるヴェーダ」を提唱する同協会理事でアーユルヴェーダ&ヨーガコンサルタントの西川眞知子氏は、自然法則にしたがって生きる方法などアーユルヴェーダの理念を中心に解説。「アーユルヴェーダにおける健康の定義」について事例やエピソードを交えながら紹介した。また、日本アーユルヴェーダ協会理事長でアーユルヴェーダ医療融合協会の副理事長も務める上馬塲和夫氏は、医療費の増加や十分に機能性していなメタボ対策などを例に挙げ、治療以上に予防が必要。未病を治すヘルスケアシステムとしてのアーユルヴェーダやヨーガが注目されているとした。
 同協会では、日本国内外でアーユルヴェーダやヨーガを体験できる環境の整備を目的に、今後もセミナーなどを通じて普及活動を実施。同時に他の医療や代替療法などとの融合も模索していく。また、来年にはインドのアーユルヴェーダを体験するメディカルツーリズムも計画している。

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