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消費者物価指数に「青汁」追加、健食が経済指標に影響

“経済の体温計”と呼ばれる指標「消費者物価指数」に、これまでのマルチビタミンに加えて、青汁が追加される方針が総務省から示された。時代の流れで「お子様ランチ」「左官手間代」「浄水器」などが調査対象から外れるなか、「コンビニコーヒー」「カウンセリング化粧品」などを新規に追加。健康食品の代表的存在である「青汁」を追加するのは、今後さらに消費が増えると予測される健康食品の価格変動を正確に把握する狙いがある。


消費者物価指数は、全国の世帯が購入する商品等の価格変動を測定して「指数化」するもの。昭和21年に初めて作成され、戦後の激しいインフレを計測するために使われた。現在、物価変動に応じて給付水準を見直す国民年金・厚生年金で指標として用いられているほか、日銀が金融政策の判断材料に利用。官民を問わず幅広く参照されている重要な経済指標だ。
消費者物価指数は消費行動の変化等を踏まえて、5 年ごとの見直しを実施。「家計消費支出上の重要度が高くなった品目」などの基準を満たす品目が追加される。重要度が低い品目は廃止となる。
総務省統計局が先月17日に意見募集を開始した2015年基準改定計画案では、33品目を追加、32品目を廃止するなどし、調査対象品目を計585品目とする。健康食品はこれまでのマルチビタミンに加えて、新たに「青汁」が追加される。サプリメントが消費者物価指数に加わったのは2005年。栄養機能食品のマルチビタミンが調査対象となった。これを受けて「健康産業速報」では、毎月「サプリメント物価指数」を報じている。
2015年基準では、サプリメントをさらに細分化。従来のマルチビタミンを「健康保持用摂取品A」と分類する。一方、高齢化などによりサプリの需要がますます高まると判断、「青汁」を単独項目として新規に追加することとした。総務省統計局では「健康食品の価格動向をより正確に把握するため」(消費統計課物価統計室)と話している。数多ある健康食品のなかで青汁を選んだのは、売上規模が大きいためという。
なお本紙が算出している健康食品の素材別売上規模では、推計が困難なビタミンなどを除き、青汁が930億円で、2 位健康茶の560億円を大きく引き離し断トツとなっている。対象とする青汁は粉末タイプの1 箱30袋入りのもの。通販で売られているものに限定する。すでに参考として、今年1月から調査をスタートしている。
意見募集を経て、新基準が決定するのは今年11月末。来年8 月に、新基準に基づく指数が発表される。

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