統合医療

「受診者の立場でエンドポイントを」 (久保氏)

 先月開催の統合医療展専門セミナー『統合医療ロードマップ~臨床現場からの将来展望』に登壇した医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長で常葉大学健康科学部教授の久保明氏は、刻々と変化する統合医療現場の実態と、今後の展望について講演した。


 久保氏は、統合医療の市況について、運動や鍼灸、マッサージ、サプリメントなどソフト面に資金を要する反面、スマホアプリを活用したメンタルケアや、腕時計型の体温・脈拍測定器など、エレクトロニックアプローチが入ってきていると強調。ウェブを用いた糖尿病療育や、スマホアプリと身体活動促進などの海外報告に触れ、「SNSやアプリなどアプローチの仕方も変化していく」と語った。
 「今後は、HER(電子健康記録)や人工知能、ロボット技術、クラウドコンピューティングといったキーワードでかなり様変わりするだろう」とし、「例えば、“最近走ってませんね。もっと走りましょう”とスマホ画面に 出 る の か 、人がアドバイスするのかで違いがあるように、テクノロジーは受診者の立場で何が結果につながるのかというエンドポイントを考えなければいけない」と強調した。
 また、認知症症例に対する地中海食に触れ、「和食は世界遺産に登録されたが、エンドポイントがない」と分析。健常高齢者の筋肉に対するω3 の検証事例では、「フレイルには複合的アプローチが解決のひとつに」とした。

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