日本版FOPNL導入に向けた議論が佳境に入っている。消費者庁では、令和7年度 第1回日本版包装前面栄養表示に関する検討会を7月29日に開催。製品パッケージ前面に掲載する様式案とガイドライン案のつきあわせが行われた。8月内に本案へのパブリックコメントを募集し、その結果を踏まえた検討会を10月以降に予定している。
FOPNL(Front of Pack Nutrition Labeling)とは包装前面栄養表示とも訳される。製品パッケージ前面に一食あたりのカロリーや栄養成分などを表示することで、裏面に記載されることが多い栄養表示成分の見にくさ・分かりにくさを補うための取り組み。日本においても一部の食品関連事業者が先行して行っているが、改めて国のガイドラインを定め、食品表示基準には位置づけない・任意表示の取り組みとして推進することを目指している。
現案のポイントと今後への影響
日本版FOPNLの適応範囲については「容器包装に⼊れられた⼀般⽤加⼯⾷品であって、当該⾷品の⾷品単位として1⾷分の量が適切に設定できるもの」が検討中のガイドライン案で想定されている。⽇本⼈の⾷事摂取基準(2025年版)は18歳以上の成⼈の推奨量等を基にした栄養素等表⽰基準値を⽤いることから、子どもなど特定層に向けた食品の場合は「導入時に留保が必要」とされているほか、「健康増進法における特別⽤途⾷品のうち、病者⽤⾷品及び乳児⽤調製乳並びに酒税法における酒類についてはこれに含まない」とある。
対象となる栄養成分等は、義務表示に位置づけられている熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)の5つ。それぞれの量に加え、⽇本⼈の⾷事摂取基準(2025年版)における1日の摂取目安に対する割合を表示する。様式案としては、消費者アンケート調査内容を踏まえた以下の図が検討されている。

特に食塩相当量についてはガイドライン案の定義部分でも「⾷塩相当量は⾷塩摂取量の減少に資する情報である」と明記されており、他栄養素より目立つよう二重線で囲われたデザインが採用されている。「特定栄養素を強調表示するなど健康に良さそうな食品の中には、脂質や食塩相当量が多いものが見られる」といった意見も検討会では挙がっており、各栄養素と塩分バランスの取れた商品設計がより一層求められることとなりそうだ。
当日の資料はこちら(消費者庁HP)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_013/042598.html












