キリンホールディングスの飲料未来研究所は、コーヒーチェリー由来の発酵素材を開発した。飲みごたえや香味を高める特徴から、ノンアルコールや低いアルコール度数の飲料の飲用満足度を高める可能性が示唆されるという。自社製品への採用も始まっており、「麒麟特製」ブランドの期間限定製品にも使用された。

コーヒーチェリーとはコーヒーノキに実る赤い実を指す。本素材はキリン独自のワインの香気増強技術を応用し、コーヒーチェリーを搾汁、濃縮したエキスを乳酸菌と酵母で発酵させることで、さまざまな酒類・清涼飲料の温感・発酵感・アルコール感・果実感・コクを増強する効果を持つことを見出した。
コーヒーチェリーの種子はコーヒー原料として重宝される一方、果肉や果皮のほとんどは破棄されており、生態系への影響や水質・土壌汚染などの環境負荷が懸念されている。キリン飲料技術研究所(現:飲料未来研究所)は2018年よりコーヒーチェリーの有効活用の検討を進めており、今回その成果が実を結んだ。
同社ではアルコール関連の社会課題解決の有効なアプローチ策として、ノンアルコールや低アルコール商品などへの採用を探索するとともに、コーヒーチェリーを価値ある素材として活用することで使用量の拡大を図り、コーヒー農園の収入向上による持続性や、廃棄物削減による環境負荷の軽減に寄与したいとしている。













