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明治、フラクトオリゴ糖啓発セミナーで、フラクトオリゴ糖の健康価値を訴求

明治では3月16日に「明治 フラクトオリゴ糖 啓発セミナー」を開催した。セミナーでは、新潟薬科大学の松本均教授がフラクトオリゴ糖入りアイス・チョコの摂取後の血糖値の変化をみた試験の結果を発表。京都大学大学院の木村郁夫教授は、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸と抗肥満作用などについての研究を発表した。

【以下は要約】

●(株)明治フードマテリア 機能性素材事業部長 曽我俊博氏
フラクトオリゴ糖について
フラクトオリゴ糖は1979年に明治が開発し、世界で初めて工業化されたオリゴ糖。600を超える論文数を誇る。1993年に最初にトクホを取得した関与成分であり、今ではチョコレート、アイス、粉ミルク、ヨーグルト、シリアル、和菓子など様々に使われている。

フラクトオリゴ糖は砂糖に近い自然な甘さだが、カロリーは砂糖の半分。糖として吸収されない甘味素材で、分解されずに大腸まで届いて善玉菌の餌になる。お腹の調子を整え、血糖値も上げない。美味しさを楽しみながら健康にも寄与する素材として知ってもらいたい。

●新潟薬科大学 応用生命学部 教授 松本均氏
フラクトオリゴ糖入りチョコレートとバニラアイスの試験結果発表
プラセボ対照クロスオーバー比較試験にて血糖値の推移とAUC(血糖値の相対的な変化の指標)を測定。

・バニラアイスの試験(男性12名、バニラアイス4本(160ml))
フラクトオリゴ糖(FOS)入りアイス(砂糖9.9g、FOS13.7g)群と、一般的なアイス(砂糖9.9g、水あめ13.7g)群に分けて、摂取後の血糖値を測定。一般的なアイス群は摂取後30分で血糖値が高まったが、FOS入りアイス群の血糖値は多少上がるものの圧倒的に低く、摂取後30~60分において有意差を持って低かった。AUCも有意差を持って低いという結果になった。

・チョコレートの試験(男子10名、ミルクチョコレート65g)
FOS入りチョコ(砂糖9.8g、FOS9.4g)群と、一般的なチョコ(砂糖19.2g)群に分けて、摂取後の血糖値を測定。一般的なチョコ群の血糖値は摂取後30分で高くなったが、FOS入りチョコ群は30分の時点で一般的なチョコ群比で有意差を持って低かった。AUCは統計的な有意差はなかったが数値的にはFOS入りが低くなった。

●京都大学大学院 生命科学研究科 教授 木村郁夫氏
腸内細菌由来短鎖脂肪酸における宿主エネルギー代謝機能制御

難消化性多糖(食物繊維・オリゴ糖)は消化できないので小腸で吸収されずに大腸に行く。大腸で腸内細菌の発酵により産生されるのが短鎖脂肪酸。

短鎖脂肪酸の受容体であるGPR41とGPR43は短鎖脂肪酸を介して肥満を抑制することが研究で明らかになった。大腸で産生された短鎖脂肪酸は交感神経でGPR41を活性化させ、エネルギー消費を上昇させて肥満を抑制する。GPR43は活性化することで脂肪細胞におけるインスリンシグナルを抑制して脂肪蓄積を抑制、その結果肥満を抑制する。短鎖脂肪酸を摂取させたマウスの試験でも抗肥満効果が出ている。

探査脂肪酸は酢、チーズ、バターなどにも含まれているが、低分子であり小腸で吸収されてしまう。大腸で短鎖脂肪酸を増やすには腸内細菌に作ってもらうしかなく、そのために難消化性多糖の形で食べる必要がある。

そのほか、フラクトオリゴ糖を使ってマウスの腸内細菌の変化をみた試験や、機能性大麦による短鎖脂肪酸の量と抗肥満効果をみた試験なども紹介し、試験から導き出された短鎖脂肪酸の機能などについて解説した。

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