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グアーガム分解物と酪酸産生菌の組み合わせでシンバイオティクスとしての有用性を確認

太陽化学は、グアーガム分解物をはじめ各種食物繊維や構成糖について酪酸産生菌Clostridium butyricumとの組み合わせ効果を比較検証し、検証した食物繊維の中でグアーガム分解物が最も酪酸産生促進能が高かったことを確認し、学術誌「Functional Foods in Health and Disease」に発表した。

腸内環境を良好に維持するための方法として、プロバイオティクスやプレバイオティクスはもちろん、両者を組み合わせたシンバイオティクスの有用性が注目されている。本研究ではプレバイオティクス作用をもつ水溶性食物繊維グアーガム分解物と、プロバイオティクスである酪酸酸性菌Clostridium butyricumの組み合わせ効果を検証した。併せて、他の水溶性食物繊維との比較検証をはじめ、分子量の異なるグアーガム分解物、各種食物繊維の構成糖の酪酸産生促進能も比較した。

【試験とその結果】
■Clostridium butyricum培養液を、グアーガム分解物、低分子グアーガム分解物、難消化性デキストリン、イヌリンを各1%含む液体培地に添加して培養し、培養後の菌体量(OD660)、pH、酪酸濃度を測定
⇒ グアーガム分解物を添加した場合、難消化性デキストリン及びイヌリンと比較して、有意に培地のpHが低下し、菌体量、及び酪酸濃度が増加した(いずれもp<0.05)

■食物繊維の構成成分であるグルコース、マンノース、ガラクトース、でんぷんについても上記と同様の試験を行った
⇒ グアーガム分解物の構成糖であるマンノース及びガラクトースを添加した場合、グルコース、でんぷんと比較して有意に菌体量、及び酪酸濃度が増加した(いずれもp<0.05)

■胆汁酸を添加した人工腸液にグアーガム分解物、低分子グアーガム分解物をそれぞれ1%ずつ添加し、Clostridium butyricumの培養試験を行った
⇒ グアーガム分解物の添加により、菌の増殖に伴いpHが低下し、酪酸濃度が増加した

本研究では、グアーガム分解物は、難消化性デキストリン及びイヌリンと比較して酪酸産生促進能が高いことが示された。食物繊維の構成糖の酪酸産生能の検証においても、グアーガム分解物の構成糖であるマンノース及びガラクトースで良好な結果が得られ、グアーガム分解物の酪酸産生能の高さを裏付ける結果となった。なお、低分子グアーガム分解物についてもグアーガム分解物と同程度に酪酸酸性菌の増殖及び酪酸産生の促進がみられたことから、グアーガム分解物の酪酸産生能に分子量による影響は少ないと考えられた。

酪酸は、腸上皮細胞のエネルギー源として重要な役割を果たし、健全な腸内環境の維持に寄与する成分であるが、揮発性で不快な臭いであるため摂取しづらく、また、口から摂取しても小腸で吸収され大腸に到達しない。このため、グアーガム分解物とClostridium butyricumとの組み合わせは、腸内で酪酸産生を促進することで腸の健康に寄与する組み合わせである可能性が示唆された。今後はヒト試験も視野に入れ、グアーガム分解物の健康機能のさらなる解明に取り組んでいく。

■発表誌
学術誌名: Functional Foods in Health and Disease
論文タイトル: Synergistic effect of partially hydrolyzed guar gum on Clostridium butyricum in a synbiotic combination for enhanced butyrate production during in-vitro fermentation
著者: Yoshiki Matsumiya, Mahendra Parkash Kapoor, Akiko Yamaguchi, Aya Abe, Norio Sato
URL : https://url.us.m.mimecastprotect.com/s/L81UCgJxkgiYpZr9GT2Pqpb?domain=doi.org

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