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アフターコロナで開催規模復活へ 約3,000社が出展 米国の食品展示会「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ ウエスト」

自然・健康食品の総合展示会として全米で最大規模を誇る「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ ウエスト」が3月12日~15日の4日間、カリフォルニア州のアナハイムコンベンションセンターで開催された。今回の出展者数は約3,000社、開催規模は約4000ブースで、来場者は8万人以上と、コロナの影響で縮小していた規模が回復に入った。

■定番素材ではオメガ3、プロバイオティクスなどが会場を占める
サプリメントゾーンでは、定番のオメガ3やプロバイオティクスが数多く展示されていた。オメガ3は魚油やクリルオイルのメジャー素材に加え、近年のトレンドとなっているフラックスシードオイル、新しいものではブラックシードオイルも多く目についた。

プロバイオティクスも人気カテゴリーで、イヌリンなどの食物繊維と組み合わせたシンバイオティクスの提案が多かった。ノボザイムズ社と合併したデンマークの旧クリスチャンハンセン社のブースではビフィズス菌BB-12 など、日本の森永乳業もビフィズス菌BB536 や殺菌乳酸菌のシールド乳酸菌を展示。

最近では、プロバイオティクスも女性向け、男性向けとして細分化した商品化が進んでいる様子。マリールース社もプロバイオティクス商品をラインアップ。世代別にinfant 向け、kids向け、teen向けといった子供向け商品を細かく用意。さらに女性向けでは、40+と表記し、40歳以上に訴求する商品もあった。

■トレンドのキノコ系素材、今年も多数出展
昨年に引き続き注目を集めたのがキノコ由来の食品やサプリメント。サプリメントから一般食品にまで活用が広がっており、キノコブームになっている。日本産のシイタケもクローズアップされた。なかでも霊芝は人気。このほかヤマブシタケや冬虫夏草、カワラダケなどを原料とした製品が出品された。

■一大ブームのコラーゲン、会場のいたるところに
ここ数年米国市場で拡大を遂げているのがコラーゲンペプチド。「健康な髪と爪」や「小ジワの改善、肌弾力性の改善」などの構造機能強調表示が行える。コラーゲンは“デイリーウェルネス”に欠かせない存在になりつつあるようだ。

■今年もトレンド サプリメントのグミ化
ここ数年米国サプリメント市場で大きなトレンドとなっているのがグミタイプの増加に代表されるサプリメントの非ピル化の動き。米NBJ社が2022年に実施した調査では、1,005 人の消費者に好みのサプリメントフォーマットを尋ねたところ、27.4%がグミを選び、25.1%がタブレット、19.7%がカプセルを選び、13.1%がソフトジェル(ソフトカプセル)を選んだといい、ブーム状態を超えて定着した様子。会場でも至る所にグミ製品が陳列されていた。

試食やサンプリングも積極的に行われており、実際に食べてみるとイメージしていたグミと印象が異なるものも多い。日本のグミのような弾力感は薄く、ボソボソっとしたものや、粘着性の高いもの。やわらかいドライフルーツのような食感のものまでさまざまだ。グミ以外にもソフトチュウも目についた。サプリメントもおいしさが重要視される時代になっている様子。

■ゼロシュガー、人口甘味料フリー、グルテンフリー
ここ10 年来の流れとなっている〇〇フリー素材。代表的なシュガーフリーは今回の展示会でもみられた。また、人工甘味料フリーとしてステビアやアガベシロップを使った商品提案もあったほか、天然香料を使用しているアピールもあった。グルテンフリーなどは、広く普及しているためか、各製品対応しているものの大袈裟なアピールはなかった。

■CBD の大幅縮小
2019年には140社以上の出展企業があったCBDが、今回は数えるほどに。要因はさまざまだと言うが、一つには過熱したブームにより多くの企業が参入したことで、粗悪品が出回ったこと。有効成分がしっかりと含有されていないため、体感が低く、リピートに繋がらなかったという。FDA の見解も曖昧な部分が多く、大手メーカーが参入しなかったことも要因のようだ。

■女性向け、妊婦向け、こども向け ターゲットを細分化し商品化
今回の展示会では、多くのサプリメント商品で「Women’s」といったラインアップが数多く用意されていた。もちろん「Men’s」向けの商品もあり、性差に着目した商品開発が活発な様子を感じた。特に女性向けの商品では、「Women’s hygine」(月経)や「PRENATAL」(出産前)、「Pregnancy」(妊婦)といった細かい訴求が行われていた。

■プロテインは大人気
プロテインもさまざまな商品に配合されており、あちこちで見かける。ホエイがメインだが、目につくのは「PLANT PROTEIN」。大豆プロテインやピープロテイン(エンドウ豆)、ライスプロテイン、パンプキンシードプロテインなど、植物由来のプロテインが会場至るところに展示されていた。UFDA のオーガニック認証マークを付けたものなども多かった。

■プラントベースの代名詞 代替ミートも数多く出展
代表的なプラントベース食品ともいえる代替ミート。Beyond Meat社は今回出展していなかったが、IMPOSSIBLEFOODS 社が出展。来場者にチキンナゲットやホットドッグの試食を提供し、多くの来場者が列を作っていた。プラントベース原料(複数使用)を採用することで、コレステロールや飽和脂肪などの素材を回避できるほか、温室効果ガスの排出量や水の使用量を削減できるといい、環境面でもプラントベースが適しているとアピールしている。

■セレブの影響でトレンドに 海藻食品、今後の流行か
会場ではSEA MOSS(海草)やSEA WEEDといった商品も複数みられた。SEA MOSS は2020年頃から徐々に話題になっているといい、キッカケは歌手のジャスティン・ビーバーの妻で元モデルのヘイリー・ビーバーが、高級スーパーエラワンで愛飲している「ヘイリー・ビーバーのストロベリー・グレイズ・スキン・スムージー」だという。
米国Pinterest の2023 年トレンド予測では「海藻スナックレシピ」といったキーワードの検索数が245%も上昇しているといい、海藻ニーズが高まっているようだ。機能的には、腸内環境改善、美肌、月経周期を整える、免疫力を高めるなど効果が期待できるという。

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