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「機能性表示食品」摂取経験4人に1人、課題は“認知度” -消費者庁-

機能性表示食品は1,400品となり、特保の1,056品を大きく上回っている。参入企業は420社を超えて、カップラーメンメーカー、もずく・いくらなどの海産物メーカー、製パン企業など、特に一般食品メーカーの新規参入が盛んだ。出口戦略が立てられることから、地域活性の期待の星でもあり、各自治体によるダイレクトな支援事業も活発に行われている。

プレスリリースがあった新商品を中心に本紙が集計した結果、2017年に発売された対象商品443品のうち、機能性表示食品の上市は32%。機能性表示食品は、栄養機能食品の11%、特保の4%を大きく上回った。

消費者庁が5月31日に発表した消費者1万人を対象とした意向調査によると、機能性表示食品の摂取経験があるのは25%。「摂取したことはないが、今後摂取してみたい」は36.8%だった。機能性表示食品の認知度は、「どのようなものか知っている」が15.8%、「聞いたことはあるが、どのようなものか知らない」が64.8%。特保と混同しているケースもあるとみられ、認知度の向上が今後の課題だ。

健康産業新聞1653別冊

関与成分、認知度1位は「難消化性デキストリン」

9月21日時点の機能性表示食品の受理数は1,395品で、届出取り下げは93品。採用された機能性関与成分は「難消化性デキストリン」が190品でダントツ。以下、2位が「GABA」、3位が「EPA・DHA」。機能性表示は、脂肪や整腸、血圧などの「従来特保型」が54%を占める。これに「快眠・ストレス・疲労」が11%、「肌」が8%と続く。

「糖質・糖類」の受理は

機能性表示食品は運用を続けながら制度のブラッシュアップが行われている。3月28日の第3次ガイドライン改正では大幅な変更が加えられた。4月から、ガラクトオリゴ糖やキシリトールなど「糖質・糖類」の利用が可能に。ただ企業サイドは慎重に作業を進めている模様で、9月21日現在で「糖質・糖類」は受理されていない。「植物エキス・分泌物」も制度の対象になったが、こちらの受理は届出データベース改修後の来年4月以降になる見通しだ。

事業者団体による届出事前チェックのスキームを4月に導入。これによって受理の迅速化を図る。日本健康・栄養食品協会、日本抗加齢協会が届出事前チェック事業をスタートさせている。また、既存受理品を含めて、分析方法が原則開示となることになった。このほか、届出日から60日経過後の販売状況を届け出る規定を新たに設けた。

ほかにも運用改善に向けた動きはある。現在、消費者庁の今年度委託事業として、「軽症者データ」の扱いに関する調査を日健栄協が進めている。「アレルギー」「尿酸」「認知機能」の3領域を中心に検証。この3領域以外に「対象とする領域を追加することは妨げない」方針だ。報告書は来年3月に提出される。

さらに、6月に閣議決定した規制改革実施計画に基づき、食薬区分の運用を改善。現状、機能性を表示できない医薬品リスト成分を元から含む生鮮食品や、その成分を用いたサプリメントを含む加工品について、消費者庁と厚生労働省が医薬品該当性をQ&Aにまとめて周知する。γ-オリザノールなど医薬品リスト収載成分の機能性表示が可能になるか、今後に注目だ。

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