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【連載/話題追跡】ノコギリヤシ、原料相場高騰か 背景には、フロリダ州の規制、世界的需要増…

前立腺対応素材として、一大市場を築くノコギリヤシ。「主要生産地・フロリダ州の規制」「前立腺対策素材としての世界的な需要増」などを背景に、原料不足に拍車がかかり、果実価格は3倍に高騰。エキス価格への影響がでそうだ。ニュークロップの収穫は8月~10月、「抽出エキスの価格は年末から年明けに確定する」見通しで、「キロあたり5~6万円以上になる可能性もある」とするサプライヤーもある。

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ノコギリヤシの原料相場はここ数年、高止まりで推移してきた。過去には、豪雨やハリケーン、黒カビ病などを理由に収率が落ち、原料価格が急騰したケースも。かつてキロ当たり2万円台だった日本国内でのエキス相場は、2016年は3万円前後、2017年は4万5千円前後で推移、2018年は4万円前後に落ち着いたものの、ニュークロップを原材料にしたエキス原料の値上げは避けられない状況だ。「果実価格がそのままエキス価格に反映されるわけではないが、キロあたり5~6万以上になる可能性もある」「抽出品の価格は早くて来月中旬。原料価格がさらに高騰すれば、既存ユーザーの最終商品の価格や配合量にも影響がでてしまう」「ここ数年、日本では育毛素材としての需要増も著しい。新規の引き合いにどう対応していくか」など、原料サプライヤーでは頭を抱えている。

最も大きな要因は、フロリダ州が7月中旬に、ノコギリヤシ果実を自然保護の規制対象に加え、収穫を「登録制」に切り替えたことにあるとの見方が強い。トップサプライヤーであるインデナジャパンによると、「土地のオーナーであっても、登録証なしには収穫できなくなった」という。

登録証の取得が8 月の収穫に間に合わず、現地では、未登録のまま収穫して逮捕者が出る騒ぎになっている。「ノコギリヤシは医薬品にも用いられており、その原料の確保も必要。市場ニーズに対して果実が絶対的に足りない状況だ」という。ハリケーンによる影響も少なからずありそうだ。10月10日、フロリダ州に上陸したハリケーン「マイケル」は、04年来最強の最大瞬間風速・秒速69メートルを観測するなど、「ネガティブ情報が増え、買い注文が強くなっている」という。

ノコギリヤシ(Serenoa repens)はヤシ科のハーブで、成熟した果実から抽出したエキスは、前立腺肥大による排尿障害に対する有効性が報告されている。残尿感や夜間の頻尿など、排尿トラブルに悩む人が1,000万人を超えるとも言われる日本では、本紙調べで130億円の市場を形成している。加えて、アンファーがサプリメントを上市したように、育毛素材としても新たな市場を形成しつつある。

ノコギリヤシに限ったことではないが、原料価格が高騰すると、懸念されるのは、粗悪・偽物原料の流通。アメリカハーブ協議会は10月に、偽ノコギリヤシを特集し、警鐘を鳴らす。果実価格の高騰を伝えるとともに、「キャノーラ油やココナッツ油、オリーブ油などを混入させた安価な混ぜ物原料が存在する」ことを指摘した。原料サプライヤーでは分析サービスや生産地証明書の提供などの対策が急務だ。

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本記事は「健康産業新聞 1656号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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