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特集【殺菌乳酸菌】相次ぐ大手の参入で市場拡大の見込み-エビデンスの充実で差別化図る-

加工特性の良さからサプリメントのみならず一般食品や外食産業にも採用が広がる殺菌乳酸菌(死菌)。過熱する乳酸菌ブームの後押しも受けて市場は拡大の一途を辿っている。なかでも目立つのが大手食品メーカーの参入。昨年のハウスウェルネスフーズに次いで、今年に入り日清食品も独自乳酸菌を配合した商品を発売。いずれも自社商品の展開に加え原料の外販も行うといい、市場はさらなる活性が予想される。一方で中期的にみると、プレイヤーが増加したことで供給過多に陥り、素材の淘汰がはじまるのではとの指摘も。乳酸菌を取扱うメーカーでは差別化に向けた取り組みとして、新領域でのエビデンスの取得や、機能性表示食品の利用を推進する動きが目立つ。今後の市場拡大を見据え海外展開に注力する企業も増えるなど各社の動きが活発化している。

■殺菌乳酸菌、認知広がり採用広がる
腸内フローラへの関心から、機能性ヨーグルトに代表されるようにビフィズス菌や乳酸菌の摂取気運が高まっている。健康素材としてのイメージが消費者に定着し、食品メーカーはこぞって乳酸菌を配合した商品を開発するなど一大ブームが起きている。そのブームの立役者といえるのが殺菌乳酸菌の存在だ。殺菌乳酸菌は、乳酸菌を加熱殺菌処理して加工したもので、生菌と異なり食品製造時に工場汚染やコンタミネーションのリスクが低いという利点を持つ。そのため、幅広い工場で取り扱いが可能で、納豆菌のような他の菌類との組み合わせるケースにおいても菌そのものに影響を与えないため、配合食品を選ばない点が人気の要因となっている。

また、商品化した後の品質保持についても、生菌の場合はチルド管理が必要となるが(粉末化したサプリ等は除く)、殺菌処理を行うことで常温管理、常温流通が可能になるメリットがある。こうした取り回しの良さは殺菌菌体の最大の特長といえる。また、殺菌乳酸菌原料の製造においても、乳酸菌体のみを集菌して製剤化がおこなえるため、高濃度(菌体数の多い)原料をつくることが可能。一般的に、生菌と比較し菌数を多く規格した原料が多く、機能性の活性という点でもメリットがあるようだ。こうした理由から、近年殺菌乳酸菌やビフィズス菌へのニーズは急速に高まっており、サプリメント剤型のみならず、青汁やスムージーなどの健康食品をはじめ、一般食品や惣菜、外食メニューにも採用が広がっている。

■需要拡大で各社生産増強へ
配合食品に広がりが出たことで、殺菌乳酸菌を取り巻く市場規模は急速な拡大を遂げている。原料サプライヤー各社のここ数年の供給量は軒並み増加しているといい、年率10~30%増で推移するなど依然好調だ。コンビによると、一時は前年比で200%近い引き合いがあったといい、生産が追い付かない状態に。菌体の製造工程を大幅に見直すなど、今年に入り供給体制を強化している。今後のさらなる需要拡大を想定した生産量の増強については各社が取り組んでおり、ナノ型乳酸菌® 2 種を供給するIHMや、機能性表示食品に対応したモイスト乳酸菌®を扱う亀田製菓でも従来の2 倍近い生産体制を築いている。

また、大手食品メーカーも大規模な生産増強を図る。キリンホールディングスは、自社乳酸菌プラズマ乳酸菌を配合した「iMUSE(イミューズ)」ブランドのさらなる成長に向け、乳酸菌製造の新拠点「iMUSE ヘルスサイエンスファクトリー」を埼玉県に設立。4 月より製造を開始した。これまで外部調達してきた乳酸菌原料を自社生産に切り替えることで機動的に製造計画を立てられるようになるという。初年度の製造能力は約10tを見込む。

 

本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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